アイドル猫は“転校生”／統合で誕生の大分・宇佐高校

大分県宇佐市の旧四日市高と旧宇佐高が今年４月に統合してできた新しい県立宇佐高（矢口孝芳校長）に、旧四日市高の生徒たちと共に雌の猫が“転校”してきた。名前は模様の一部がサバの模様に似ているので「さばちゃん」。人懐こく、愛らしい仕草ですっかり人気者となり、不安を抱きながらスタートした生徒たちの心を和ませ、癒やしのアイドルとなっている。 

　さばちゃんは８年前、旧四日市高に迷い込んだ。学校のアイドルだったが、同高の閉校が決まったため、卒業生の林亜矢さん（１９）ら仲良し三人組が今年３月、「残されるさばちゃんがかわいそう」と、こっそり自動車に乗せて新しい宇佐高に“転校”させた。 

　開校・入学式でびっくりしたのは旧四日市高生たち。「さばちゃんがいる」と、再会に感激して泣き出す生徒もいた。

　居場所が変わったことへの不安もあったが、今ではすっかり学校の主に。廊下に寝そべり、校長室のソファでくつろぐ。矢口校長の朝の出迎えもその役目で、校長の車を見つけると、正門まで出て「ニャーオ」。 

　校風も歴史も異なる両校。統合には不安もあったが、さばちゃんを一緒に可愛がるうちに、生徒たちは打ち解けていった。矢口校長は「さばちゃんが両校の生徒の心を結びつけたのかもしれません」。そんな人間たちの思いを知ってか知らずか、さばちゃんは今日も校内を気ままに歩き回っている。 

(毎日新聞より引用)