ミルクはあっという間に皆さんになじんでしまった。
玉三郎の時はレオ以外あまり受けがよくなかったのでどうしたもんか悩んでいたが、すっかり玉三郎を受け入れてしまった今、
同じような子猫がもう1匹増えたところで動じないらしい。
ミルクよ、玉三郎に感謝するがよい。
ミルクは明らかに玉三郎より早く生まれている。
そのほわほわな毛皮も手伝ってタマちゃんよりもかなり大きく見えた。
ころころしたやつだな〜と思っていたが、実際はそう見えるだけで、触ってみるとはっきりと骨が浮き出ていた。
病院の看護婦さんも「大きく見えるけどすごく痩せてますね」と驚いていた。
保護時の体重はタマちゃんよりも150g以上少なかったのだ。
異常な食い気もうなづける。
そして保護して半月以上たった今、その体重は一気にタマちゃんを抜き去り400g以上増えている。
はっきりと感じられた骨も今では肉にうもれてわからない。
下痢も治まり他のネコのご飯も横取りするため、しっかりと脂肪が蓄えられ始めたのだ。
足が短いため、まるで腹が床につきそうな勢いである。
そう、ミルクは明らかに
デブになった。
ジジイがしみじみと言う
「・・・この腹よ・・・」タマちゃんは足が細くて長い。それに比べてミルクはまるでブーツを履いているようだ。
「鈍重」という言葉がよく似合う。
食い物にしか興味がなかったミルクも最近はタマちゃんと追いかけっこや取っ組み合いをして遊んでいる。
しかし動きは鈍い。いつもタマちゃんにやられまくっている。
食い気は相変わらずだが、最初の頃のように
「何が何でも台所に行くぞ〜!!お〜〜!!」という執念は感じられない。
台所に行くルートをすべてシャットアウトした時、
「台所〜!!食い物〜!!」とわずかな隙間に頭を突っ込んでいる姿は鬼気迫るものがあった。
こ・・・こいつ、もしかして猫じゃないんじゃ・・・と思ったことも1度や2度ではない。
加えてトイレの覚えの悪さよ。
夜勤などで家を留守にした時、帰ったらどんな惨状が待ち受けているかと思うと溜息ばかりが出た。
しかし、ついについにミルクが私の目の前でトイレでう○こをしたのだ!!
おお・・・ミル・・・(感涙)しかし、次には洗面所の下にブツが落ちている。
おお・・・ミル・・・(落胆)一喜一憂しながらもミルクは段々とトイレを使い始めている。
わからないのは大きい方はトイレでしてもいいが、小さい方は平面じゃなきゃイヤということだ。
お願い、両方トイレでして。
私の祈りが通じているのか、ミルクの粗相は格段に少なくなっている。
喜ばしいことである。