小太郎が我が家にやってきてから20日くらい経つだろうか。
今ではもともとこの家にいましたって感じで番犬をしている。
はっきり言って華よりいくらか役に立つ。
華は誰に対してもフレンドリーなので、怪しい人がきたって吠えない。
それどころか尻尾を振って歓迎するに違いない。
小太郎はと言うと私とジジイ以外には
「くせ者!!!くせ者じゃああああ!!!」
と誰かれ構わず吠えている。
弱い犬ほどよく吠える。・・・コタちゃん、吠えすぎ。
しかし、最近は毎日来る新聞配達のおじさんと、郵便局のお兄さんには吠えなくなった。
ちょっとは進歩したらしい。
小太郎のことをどうするか私はジジイに相談していない。
華のことは私の独断で決め、ジジイは「好きにすればいいじゃん」と
苦笑いしていたのだが、今となっては完全にネコ派になってしまっているので
華にはあまり興味を示さないのだ。
小太郎などなおさらだろう。
しかし、私が小太郎にエサをあげていたり、遊んだりしていると
「しょうがねえな」という感じで笑いながら見ている。
小太郎と遊んでいるとネコがやってくる。ネコたちはふんふんと小太郎の匂いをかぎ、小太郎もネコの匂いをかぐ。
自分から近づくのは構わないが、近づかれるのは嫌なネコたちはペシッと
小太郎にネコパンチを放つ。
すると、小太郎は「きゃひ〜ん!!」とまるで大怪我を負ったような悲鳴をあげる。
すると、「どうしたどうした?ネコにやられたのか?」とジジイが玄関先まで出てくる。
そして小太郎の様子を見てゲラゲラ笑うのだ。
・・・おや??興味あり??
ある時夕飯を食べていると、
「小太郎が寄って来ようとしたら、華がすごく怒ってな、近づくなって言ってるみたいにそばから離れないんだよ〜。やっぱり盗られるって思ったんだろうな〜」
と、目を細めて言った。
・・・はは〜ん、嬉しいんだな。
そして私は見た。玄関先でちぎれんばかりに尻尾を振っているコタの頭をがしがしと撫でているジジイの姿を。
ふ・・・墜ちたね。
コタは律儀な奴だ。そして常に低姿勢。
仕事から帰ってくるとダッシュで駆けてきて、喜びのあまり悲鳴をあげる。
「おかえり!おかえり!おかえり〜!!」と嬉しさを全身で表現する。
毎回熱烈歓迎なお出迎えだ。
ジジイもこんな姿を見たら可愛いと思わずにいられないのだろう。
最近では新聞配達のおじさんに「とうとう犬が2匹になっちゃった」と話している。
コタちゃん、「低姿勢作戦」勝ち。
ここはアタシの領土。
コタがきてから益々家の中の領土を広げつつある華ちゃん。
でもコタとは仲良し。こいつはホントに誰とでも仲良くなる。
ボクはここでいいです。
コタは玄関。コタよ、君が正しい。
でも、ちょっとだけ・・・。
ばかもん。
華は「おすわり、お手、おかわり」は最初からできていた。
でもボール遊びはできない。
コタはボール遊びはできるが、「おすわり、お手、おかわり」ができない。
目下、犬として最低これだけはできなければなるまいとおすわりを特訓中。