ね〜、さくら。
君は覚えているかい?
退院後に病院へ通ったあの日のことを…
これからほぼ毎日、君はここへ通院しなくちゃならない。
君にとっての病院は決して良い思いをしたところではないはずだ。
むしろ、痛いことをする所でもあり、これから毎日辛い日々の始まりとも言える。
それでも病院のセンセーは、君を偉く褒めているんだよ。
『さくらちゃんは注射をする時も、鳴き声を上げずにじっと耐えて大人しいのよ。』
普通の猫なら、注射だけでもギャーギャー叫んで暴れ始め、とても治療どころではないらしい。
ね〜、さくら。
君は注射を打たれるのは痛くないかい?
我慢しなくてもいいんだよ。
これからほとんど毎日、この痛みと君は戦わなくてはならないんだから。
初めて通院したこの日の治療は、結局鳴き声一つとして上げることなく終えた。
気のせいかもしれないが、さくらの顔も『ヤレヤレ!やっと終わった…』といったような安堵感の表情をしているようにも思えた。
これから先、2年以上に及ぶ通院の日々が続くのであった。
続く…
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猫太のおバカな恋のお話