今回は本編から少し離れます。
7月7日(金)
午前0時30分過ぎ。
場所は大阪吹田市。
首輪が付いていたので、名前はあったのかもしれないが、
1匹の名もない猫が天に召されました。
いや、彼(彼女)は天へ行けたのだろうか…
状況として
夜の一本道を、車で運転していました。
前にはタクシー(だったと思う)が走っており、
時速は約80kmほど出ていたと思う。
私がふと気が付いたのは、今にも道路を横切りたそうな猫。
『あ、あの猫、たぶん渡るな〜。』
といった具合で、いつ飛び出してきても大丈夫なように
ブレーキの用意だけはしておいた。
猫は、何かに取り憑かれたように、一目散に駆け込んでいった。
おそらく無事に抜けるであろうと思えたのだが、
前の車はその猫の駆け足と同時に、スピードをアップさせ
不幸にもその猫はモロに轢かれてしまった。
前の車とは距離間隔もあったので、スレ違えると思っていたのだが…。
その車は、猫の体を完全に乗り上げて、そのまま行ってしまった。
後ろで追走していた私の車も、急ブレーキをかけて車を止めた。危うくその猫にトドメをさしてしまう所だったのだが、倒れた猫からおよそ1m弱の所で止める事ができた。
車から降りて見ると、かなりもがき苦しんでいたのだが、間もなく全く動かずに息も引き取った。
かわいそうに、彼(彼女)は目を見開いたまま、天に召された。
最後に彼(彼女)は何を思い、天へと帰っていったのだろうか。
何を目に焼き付けて行ったのだろうか…
今回、さくらとの出会いを書いている以上、どうしても他人事とは思えなかった。さくらも同じような運命を辿りかけたことがあるから。状況としては全く同じである。
彼(彼女)は運が悪く、さくらは運が良かっただけなのかもしれない。
この世は猫には住みにくい世の中になっている。
車は行きかい、今日もどこかで猫や動物たちが車の犠牲になっているであろう。
猫を世話する人間として、彼(彼女)を見送ることができたのは、何かを考えさせられるキッカケになった。
おそらく彼(彼女)が生きていたことは、ほとんどの人が知らず、人知れず生きて人知れず死んだ。あまりにも寂しい…
しかし、彼(彼女)は、紛れもなくこの世で活躍(?・どう活躍したかはわからないが)した猫であることを、せめて私だけでも記憶に留めて置こう。
彼(彼女)が生きていたという証を、今ここに記す。
合掌
終わり
次週より再び本編に戻ります。