ね〜、さくら。
君は覚えているかい?
君がはじめて我が家で迎えた日曜日を…
アローキャリーという馬が妙に気になった私は、その馬だけを見続けていた。
そしてレースは始まった。
アローキャリーという馬はとてもスピードのある馬、俗に言う『逃げ馬』であり、レースの最初からずっと先頭を切って粘り込みを図る作戦に出ていた。
もし仮に『追い込み馬』であったなら、テレビに映ることもなく馬群に沈む可能性も高い。
『逃げ馬』はとにかくテレビに映る割合も多く、そういう点では『そのまま〜!』と気合の入る応援ができるものだ。
さくらも、テレビに映るアローキャリーに応援を送っていたのか、テレビに噛り付くように『みゃ〜みゃ〜』とうるさい。
大穴を買っていたことから、半分はお金を捨てたつもりであったことからも、アローキャリーが直線へ向いた時には、『あ〜、これで馬群に沈んでいくんだろうな〜』なんて思いながら見ていたのだが、これが沈むどころか逆に後続を引き離して行った。
『うそ!』
信じられない思いで『ひょっとしたら本当に勝っちゃうかも!』なんて…我が目を疑った。
さくらは相変わらず『みゃ〜みゃ〜』とうるさい。
『え〜、粘っちゃうよ!これ!ていうか、さくら!ちょっとうるさい!』
とさくらに叫んだ瞬間、さくらは私の声にビクッと反応して鳴き止んだ。
すると途端にアローキャリーの脚色が鈍くなり、後続に控えていたタムロチェリーという馬に差し切られ、2着に惜敗した。
『惜しい…。』
しかし、実は2着でも馬券は当たりなのだ!
250倍の馬券を1000円賭けていた私。
競馬で少額の資金で大金を手にしたのが初めてのことであり、その日は手の震えが止まらなかったのであった。
さくら。君は何者?
大当たりは、この日だけではなかったのであった。
これはまた後日に書く事にしよう。
続く…
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猫太のおバカな恋のお話