ね〜、さくら。
君は覚えているかい?
アローキャリーというお馬さんを…
この日は阪神競馬場まで脚を運んで競馬観戦していたんだけど、さくらがアローキャリーの調教の時だけ共鳴するように泣いていたのがいまだに気になっていたんだよね。
パドックで周回するアローキャリーを見ると、まるでさくらが周回しているかのようにも思えたんだ。
単勝オッズは13番人気の49倍。
来るわけがないと思いつつも、単勝を1万円だけ購入。
アローキャリーちゃんは、レースでは逃げ戦法しかしたことがない馬で、今回のレースは相手関係が今までと違って、格段にレベルアップした馬ばかり。
とても勝ち目はないなか、今回ばかりは逃げ戦法を打つことができずに、3番手からの競馬となった。
しかし、直線ではアローキャリーは結構頑張って、勢い良く先頭へ躍り出たではないか!
まさかまさか!
『アロー!粘れ〜!』
思わず声を張り上げてしまう。
大歓声の中、ついにアローキャリーは1着でゴールをしたではないか!
まさかの大波乱となった今回、さくらが共鳴しなければ買おうとしなかったアローキャリー。
さくら君、君は一体何者?
まさかの招き猫だということがわかったのが、この時だったね。
続く…