ね〜、さくら。
君は覚えているかい?
車に踏まれた時のことを…
手術は大体30分くらいだったかな。
その間、凄くいろいろなことが頭の中を駆け巡ったよ。
君は、脚の付け根と腰の骨が折れていたんだよ。
車で踏まれたけど、不幸中の幸い。
腰にタイヤが乗り上げたから骨折だけで済んだんだよ。
少し膀胱は傷ついたけど、生死に影響はないと。
もし、あと10cmでもお腹の方へズレていたら…
お腹踏まれて即死だっただろうね。
あの一瞬で、生死を分けたのは一にも二にも
君の運が良かったんだよ。
まして野良猫。
普通ならそのまま放置されて死んでいっただろうに…
僕が運転手で良かったんだよ。
そう自分に言い聞かせて正当化させる人間的なところが少し嫌になった30分だった。
続く