「必ず満足いくもんが描けるようにしたげるからな。
わたしはセンスがないから、とか言うヒトがよういるけども、
そんなもんは必要ないんや。
センスはなくてもちゃんと言うとおりに練習したら、
誰でも描けるようになる。
ただ、そこから先、ほんまのプロになる人間だけが
センスとかを必要とするんであって、今はそんなもんは必要ないんや」
なるへろー・・・・。
まあ、そうかもなあ・・・・・。
聞きながらひたすら同じ絵を描く。
ううう、同じ絵が同じにならないのです。
筆を立てることに集中すると、まったく絵がかけない。
絵にこだわると運筆がうまくいかない・・・。
これは思ったよりも苦行です・・・・・・。
同じ絵を機械的にかいていると、ちょいちょいっとアドバイスが。
「ヒゲはなにも全部同じ長さと違うで。この下のヒゲはな、短いんや」
へー、そういやそうかな？？
またせっせと描いていると、
「ここのヒゲの毛穴な、なにも無闇に点々かいてるわけやないで。
こう、列になって並んでるんや。家にネコがおるなら
帰ってよう見てみ」
へーっ、そうだっけ？？
また延々とかく。
「このヒゲの点々の列な、同じ方向にただ並んでるんやないで。
うれしいときはあがるし、リラックスしてたらちょっと下がるし」
あ、そっか。ヒゲがあがってるときは、毛穴も上向いてるんかー。
毎日飽きるほどネコのカオ見てても、気づかんことは多いもんです。
「これはまずわかりやすいように漫画的に○と線でかいてるけどな、
ほんまはここにこう頬骨があって、鼻筋がこうあってな、
フツウはネコの絵をかくときは、頬骨と鼻筋を強調して描くことが多いんや。
これはあくまでもぼくの描き方で、この基本の形をマスターしたら
あとはもう自分らしい猫のかきかたをしたらええんやからな。
今は線の練習や」
なるへそなー。
その線の練習がムズいんですが。
なにせ手首で描いちゃいかんというから肩から肘ごと動かすわけです。
肩が凝るったらありません。
「どんなスポーツしてても、案外この筋肉の使い方はせえへんもんやからな。
いまは線を引くことでその筋肉を作ってるんや。
手首でかいてたら、紙の上のある程度の大きさのものしか描かれへんけど
このかきかたを覚えたら、あとはフスマやろうが屏風やろうがかけるからな」
ううむ、そんなものか。
難しいものです・・・・。
「ここがホンマはこうなってこうなって・・・」
わたしの絵にちょこちょこ手直ししながら、
「またちゃんと教えるけどもな、ざっとこうやって色をつけていくんや」
墨を薄くして、陰影をつけて塗ってくれはりました。
ほほー、線だけのときと全然感じが違う。
見よう見まねで塗ってみたら、ひどいシロモノになった(^-^;)。
小学生以下の絵です。
相変わらず、線もボロボロ。
あまりの飲み込みの悪さに先生もさぞあきれていることでしょう。
こりゃもう道が険しいとしか。
「今はぼくは形がキレイにかけても褒めません。
線のことしか褒めへんからな」
ううう、だとすれば褒めてもらう可能性は限りなく低いです。
それでも、ひどいシロモノの中から、なんとかマシな線を探し出して
「これは上手いことできてる」と言ってくれはるあたり
なんだか情けない気分・・・・(^-^;)
それだって十分じゃないことくらい、シロウトの自分にもわかるのです。
頭でわかってるのに出来ないというのは、なかなか悔しいものです。
「頭で描くもんやないで。数をこなすのみや」
どうやら、そのとおりのようです。
そうこうするうちに、先生が時計を見て、
「よっしゃ、そろそろ一枚描こうか」
わたし自信はまだまだ一枚描くもヘチマもない状態なので知らんカオしていると、
最初に道具の並べ方とかを教えてくださったヒトが、
「こっちこっち」と促してくれはりました。
「そろそろ一枚」とは先生がみんなに描いてくれるお手本のことらしいのです。
適当に猫の写真を一枚選んで、それを描いてくださるのです。
ふてぶてしいツラ構えの白猫の写真が、見る見る筆で描かれます。
単純な線で描かれているのに、たしかにその猫だとわかります。
さすがとしか言いようがありません。
そこへ墨を薄くして陰影をつけていきます。
筆一本、墨一色で、ちゃんと写真の猫が出来あがっていくのが不思議。
お手本を見終わって、全員いまかきかけのものを仕上げて終わり。
わたしはべつに描きかけのものも何もないのでどうしようかなと思っていたら
わたしの描いた絵にもう一度陰影のつけかたを教えてくださいました。
塗ったあとに手のひらで押さえて定着させたりする方法も教わりました。
とはいえ、「塗る」はまだ参考までに見せて下さっただけで
わたしのレベルではそこまで練習はしません。
「いまから塗ることに一生懸命になると、どうしても筆を寝かすクセが
ついてしまうからな。あんまりやらせたくないんや」
たしかに・・・。塗るときは筆が寝ますもんねー。
というか、先生は線を描くときももちろん筆を立てたり倒したり色々です。
でもまだわたしは直筆の練習の段階なのです。
はー、ほんとに慣れるのかなあ・・・・。
終わると硯と水入れを片付けて、三々五々帰っていきます。
なーんだ、生徒どうしはしゃべる機会もないから、
あんまり人付き合いは気にしなくていいみたい。
ただし、先生の直門のお弟子さんや、昼の部の人やらと一緒に
展示会をやる企画を考えてはるようで、
わたしはまだまだそんなん出せる段階じゃないにしても、
そういうことがあるとやっぱりほかのヒトとも付き合うことになったりするのかな？？？
どうもまだそこらへんのことはよくわかりません。
とりあえず今は運筆練習あるのみ〜〜〜。
で、早速お知らせ。
■２００６年４月１８日−３０日
中浜稔猫の墨絵展�爛曠奪灰螢錙璽襯畢�
アートスペースＡ-1
名古屋での展覧会です 中京地区の方は是非お運び下さい
〒４６０−０００８ 名古屋市中区栄１−２４−２８ Tel:０５２−２３２−６２６６
地下鉄鶴舞線｢大須観音駅｣４番出口より徒歩３分 名鉄バス｢白川公園前バス停｣より徒歩１分
以上(笑)。
さて、おうちで線の練習をしたあと、猫雑誌の写真を見ながら、
見よう見まねでこんなものを描きました。
勝手にこんなことして悪いクセがついたらどうしようと思いつつ、
まあこれはこれってことで(^-^;)。
やっぱり線が不安定だし、墨が薄すぎるし・・・。
難しいですね。
ちなみに、先日のノートパソコンの故障の件ですが・・・
実は、こんな顛末が！！！(T-T)
http://memeharuka.blog53.fc2.com/blog-entry-27.html
恥ずかしすぎる！！
