さて、墨絵教室の続きです。
ドキドキしながら待っていると、50代くらいの女性が入ってこられました。
感じのいい、結構上品そうなヒトで、
「初めてですか?」と尋ねてくださり、硯と水入れの準備、
いすが低いのでふたつ重ねることや、席は決まっていないことなど教えてくれはりました。
去年、法善寺のショップで初めて先生の絵を見たことや、
先生の個展を見に行ったことなど話し、
そのヒトは、親の介護のあいまの息抜きに来ている、
一時中断していたけれども、また来ている、
昼の部は生徒が多いけれど、夜は3〜4人なのでゆっくり教えてもらえていい、などと話してくれました。
そのヒトは自分の筆や墨を持っているので、硯に墨をすり始めました。
そうこうするうちに、20代後半かな??と思えるメガネの女性が来て、
先生も入ってこられました。
どぎまぎしつつ、登録のときに受付で渡された紹介状を先生に渡してご挨拶。
「ここは何で知ったんや?」と聞かれ、「あ、文化サロンのカタログで」と返答。
いや、絵葉書も持ってる、個展も見に行って言葉もかわした、と
言ったほうがよかったのか!?と一瞬の間に頭の中であれこれ考えたものの、
「そうか、それで、これは○○○(わたしの苗字)と読むんかな?」と
あっさり話題を変えてしまわれました・・・・。
うーん、まあわざわざ媚売ることもないか・・・。
筆と墨を先生から買い求め、半紙はその都度足りなくなったら
先生から買うということを教わりました。
雑巾を持ってきてくださったり、墨をすってくださったり、
筆おろし(この言葉、エッチなほうに考えるワタシはバカ)してくださったり
わりとマメに面倒みてくださる。
ふたりの先輩たちは、半紙になにやら線を引いてらっしゃる・・・・・
あっというまに紙が真っ黒に線で埋まっていく・・・。
「まずな、線を引く練習や。こう筆をまっすぐ立てて、左から右、
右から左、上から下、下から上、と引いてみ。
これは長いことやってるヒトかて皆やることや」
ふうん・・・・、とやってみたのですが・・・これがなかなか難しい。
先生はもちろんあとの二人のほうも回って見ておられるのですが、
またわたしのほうに回ってきて、
「ああ、この線はあかん。筆が寝たやろ? かいてるとこを見てへんでも
線を見たらちゃんとわかるんや。これは手首でかいた線や。
こっちのが正しい」
うーん・・・・自分では立てて描いてるつもりだけど、言われてみればそうかも? 途中で20代前半くらいの若い女性がはいってきて、彼女も練習し始める。
みんな今日自分がすべきことを、ちゃんとわかっているようです。
先生の指示を待つまでもなく、ちゃっちゃとやっている・・・。
わたしは自分が今日なにを習うのかさっぱりわからない・・・・。
初回なんだから当然なのですが、なんとなくそれがつまらないような、
それでいて新人気分がうれしいような、へんな気分(笑)。
40を前にして、一番新米でいられる気楽さ、というのもいいものですよね。
「で、ネコが描きたいんやな?」と先生。
そうです、ネコが描きたいからこの講座を選んだんですが・・・(^-^;)。
「ちゃんとかかせたるからな。まあ待っとき。
いまは筆をまっすぐ立てる練習や。基本をちゃんとやっといたら、
ネコでもなんでも描けるからな」
そ、そうなんスか。
黙々と線を引き続けるのですが、相変わらずうまくいったりいかなかったり。
当然飽きてくるわけです(^-^;)。
飽きてきた頃を見計らって、先生はホワイトボードに
○と線で簡単なネコの描き方をかいてくれました。
「よっしゃ、そしたら、あれのとおりにかいてみぃ」
ホイホイと描いてみました。
「形は格好ようにかこうと思わんかてええ。
ほれ見てみ、もうこの線は筆立ってないやろ?
上手に描こうと思わんかてええ。いまは筆立てて描くことだけ考えや」
はあ・・・、それはわかってるんですが・・・・
ついついネコの形に気をとられるワタシは、俗物です・・・・。
(つづく(笑))
←わたしが仕事に出るとき、
玄関近くまで来るものの、ドアの陰に隠れて見送るかりんさん。