猫が木に登っても何も珍しくも可笑しくもないが、ラブは普通の猫が登らない程木の上高く登った挙句、自分では降りれなくなって啼くのである。母親から早く離されて木登りの仕方やその危険性、注意すべき心構えなど充分な教育を受けなかったのであろう。「行きはヨイヨイ帰りは怖い」ならぬ「登るはヨイヨイ降りるは出来ない」なのである。一体何度自分では降りれない程木の上高く登れば気が済むのか!長い梯子を掛けて降ろしてやらなければならない私の身にもなってみろ!自慢ではないが、私は高所恐怖症では決して誰にも負けない男なのだ!地上50cmの高さでも自然に膝がガクガクしてしまう男なのである。その私にラブよ、お前は何度怖い思いをさせれば気が済むのか!一体お前は私に何の恨みがあると言うのか!