ラブは毎朝早く6時頃には一度出掛けて行く。行き先は例の奥さんとご亭主が待つ家である。朝早くから玄関の戸を空けて待っているのはご亭主。朝だけではない、夕方にもしばしば行くのである。ある日、ご亭主が玄関の外でラブを見付けて愛想を崩してラブを片手で一生懸命手招きしながら、もう一つの手で玄関の戸を開けているのを遠くから見た時には、この人には決して勝てないと思い知らされたものである。ラブも悪い気はしないのであろう。嬉しそうに素直に玄関から入っていくではないか。私に対する態度とは全く違うではないか!ラブよ!一体これは何事なのか!それにしても、このご亭主のラブの可愛がり様は大変なものである。奥さんに言ったそうである、「猫が可愛いのではない、ラブだから可愛いのだ」・・と。