我が家の直ぐ前に、観光客が一休み出来る様にと、頑丈な木製のテーブルと椅子が設置されている。直ぐ近くの土産物店の主が、そのテーブルの上にいるラブを見ながら言う。「ラブの奴が又、観光客をカモにしようとして待ち構えていますぜ」。案の定、前方に観光客が通りかかるや徐にテーブルから降りて近づいて行く、「私もラブの様に気侭勝手な調子のいい人生を過ごしたかったですよ!」と彼は言う。観光客の足元迄行くと、ミャーミャーと猫撫で声を出して擦り寄るか、近く迄行ってヒョロヒョロと急によろけて倒れ込んで心配させて関心を惹くかが、ラブの手口であり、私もその手に引っ掛かった口なのだ。もしや、誰かが拾って呉れて自分を島の外に連れ出して呉れ、母親の元に帰れるチャンスを期待しているのであろうか?