過去に出逢った13匹の猫の話

2010年11月
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ななせ♪

猫フェチの私がこの30うん年間に出逢った猫たちとの人生を連載エッセイとして綴っていきます。

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風来坊遭遇【麻呂】vol.7
バニラの子供達が生まれるちょっと前、こんな出来事があったのでちょっと番外編で書き留めておく。

私と同居人は、いつも会社に行く途中、神田小学校(現:千代田小学校)の前の神田公園を通り抜けて出勤していた。ここは野良猫たちが多くて猫おばさんもたくさんいたし、私たちも餌やりに便乗したりして結構楽しみにしながら通る場所だった。
その日も同じく公園を通り抜けようと公園に入った。
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「あれ?」

「何?」

突然同居人が何かを見つけたらしく、花壇の植え込みの方に近寄っていった。

「なんだこれ?」

植え込みの煉瓦の上に何やらドロと砂まみれの小さな白いものがうずくまっていた。それは手のひらに乗せてもあまってしまう位小さな生まれたての子猫だった。

「こんなに小さいのにココで何してんだろ?親は近所にいないのか?」

私と同居人は、辺りを見回したがそれらしき猫もいない、そしておかしいことに気が付いた。

こんなに小さな、体液まみれでまだ目も開いて間もないような子猫が、高さ25センチほどの花壇の植え込みに一人であがれるはずはない。

人の手によって植え込みに乗せられたその猫は、明らかに『捨て猫』だった。

「こんな小さな子を捨てるなんて…」

私たちはその子猫を会社に連れて行った。

体液まみれのままかなり放置されていたんだろう、やせ細り毛はガチガチに血とドロと砂まみれ、異臭のただよう子猫を洗い、そして小さな体を蝕むでっかいノミを取ってやると、赤くノミに噛まれた跡が痛々しくポツポツと見えた。

歯もまだ小さい物が数本有るくらいの子猫はぴーぴー鳴き、お漏らしをしながらでもお湯から逃げようと暴れまくる様子から、元気はいいみたいなので一安心。

しかし、さすがに猫缶を与えても食べられない。

困った。

私は、集金のついでに北千住の駅ビルで子猫用のミルクと生まれたての子猫用のほ乳瓶(外国製で高かった(涙))を購入し、帰社後に与えてみた。

ものすごい勢いで飲み干す子猫、食欲もあるらしいのでまず大丈夫だろう。

ひとまず小さな封筒の束が入っていた空箱に子猫を入れて仕事再開、病院にも診察の予約を入れて、私はもう飼う気満々だった。

「名前きめなきゃね」

「額に黒い点が2つあるから『麻呂(まろ)』に決定。男の子だし」

箱の中で眠っている子猫は『麻呂』となり、我が家に迎え入れることになった。問題は、乳飲み子ということでミルクをしょっちゅう与えなくてはならないこと、当分は会社に毎日連れてくるしかないなぁ〜と考えながら就業時間を迎えた。

【続】

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