先代猫の『茶々』です。彼女は、昨年の11月に虹の橋を渡りました。
彼女との出会いは4年前の夏の終わり。マンションの駐輪場でした。
ガリガリに痩せていて、蚤だらけ、お腹のあたりの毛はすべて毛玉(フェルト状)と化していました。皮膚が弱っているせいで、毛玉の中に引っ張られる様に皮膚(皮?)が巻き込まれて伸びていたので、少しずつ根元から皮膚を傷つけないように、切り離していきました。
猫は昔から好きだったけど、飼った経験がなかった私は、初めての保護を決意するまで、数日かかってしまいました。
誰かしら餌をあげている様子でしたので、私自身はあげていませんでした。でも、このままココで暮らしていけるのかとても不安でした。
その日夏の終わりに降った雨で、秋の寒さがやってきました。
もう迷っている場合じゃない。やっと決心をして「うちの子になる?」と、彼女に聞いてみました。
それから「おいで」と呼ぶと着いて来ました。
無理強いは嫌だったので、あくまでも彼女の意思を尊重しようと思いました。駐輪場を出て、エレベーターに乗り、家の扉を開きました。トコトコと着いて来て、家の中に入り、リビングのソファをみつけると、すっと飛び乗り毛づくろいを始めました。
トイレも何の問題もなく。水もすぐにみつけて飲みました。
食事はほんの少し食べました。
次の日、病院で蚤取り用の薬をもらい、駆虫のための薬を飲ませて、血液検査もしてもらいました。
血液検査の結果、エイズや白血病というような重大な病気ではない事がわかりました。ただ、痩せ過ぎていてレントゲン検査は受けられませんでした。脂肪がないと何も映らないのだそうです。
爪は切ってあるとの事でしたので、つい最近まで飼われていたようです。首輪のあとなのか、ぐるりと一周、首の周りの毛がハゲていました。
彼女の一日は食事と排泄以外、ずっと横になって過ごしていました。
食も細く、ほとんど食べてくれません。
病名はわからなかったけど、病気である事は良くわかりました。
彼女のためにできるだけの事をしたくて、
彼女とすごした3年間はほんとうに必死でした。
なんとか、病気を治して体重を増やしたい。
ずっとそう願っていました。
彼女もがんばって、がんばって3年間わたしの側にいてくれました。最後の2日間は何も口にしてくれず、淡々と身体を冷やし明け方を待たずに行ってしまいました。
この3年間、24時間365日。彼女のためだけに時間を使って来たせいで、ひとりぽつんと残された私はどうかなってしまいそうで恐かった。
写真は普段『遺影』として使っているものです。
写真に向かっていっぱい話しました。話していくうちに、
彼女のいなかった3年前の自分の暮らし方を
思い出す事ができました。
一人でも(彼女がいなくても)生きて行ける。
「大丈夫。」と、彼女が教えてくれました。