天使の体調が回復しきったころ、私達のもう一人の家族と天使を対面させた。
ここでは、猿と呼ぼう。落ち着きのないミニチュアダックスフンドである。天使が我が家に来た時、蚤が移ってはいけないという理由で、近所の祖父母の家に預けていたのだ。
二人を対面させると、天使は聞いた事のない声で、
「フシャァァァーーーーー」
と猿に向かって威嚇した、しかし猿はひるむ事もなく、天使に突進。華麗な鼻さばきで、毛の逆立った天使を、コロンとひっくり返すと、天使の顔を舐めまくった。最初は、天使も抵抗したのだが、敵わないと思ったのかしばらくすると、諦めてされるがままになっていた。
見かねた祖母が、
「やめんねっ!!!!!」
と言うと天使を抱き上げた。私が、
「大丈夫〜?」
と言って天使に近づくと、ぷ〜んと臭いが漂ってきた。猿のよだれでデロデロの天使からだった。洗わなきゃな。そう思った・・・。