我が家に目つきの悪い天使がやってきた。
天使は、我が家に着くとすぐにプラスティックのベッドに寝かされた。寝返り一つうてない程に、衰弱していて、食事は病院からもらった流動食をスポイトで飲ませた。それに、蚤除去の薬を注していたから、これでもかと言うほどにご臨終された蚤がタオルにポロポロ落ちていた。
さて、ここで私達はしばし模索した。蚤のついたタオルをどうするか、我が家はマンションの7階にあるのだが結局、階下の方には申し訳ないのだが、ベランダからタオルをパンパン叩いて蚤を落とす事に決定した。
その間、天使は瞬きもせずその金の瞳を空中に漂わせたままベッドに横たわっていた。私はまた、天使に恐怖を覚えた・・・。