近所のお餅屋さんに堕ちていた小さな天使・・・ これは羽の折れた小さな天使とのささやかなお話・・・

November, 2010
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折れた翼

私が、手を伸ばすと小さな天使は顔を上げて私の目を見た。

その天使の顔は片目は、目ヤ二で閉ざされ、体は蚤だらけだった・・・

普通は、

[こんな汚い猫、触るのも嫌だ]

と思うかも知れないが、その時の私達は普通ではなかった。

私は、その小さな天使を抱え上げ、母は携帯で猫好きの知り合いに、近くに動物病院があるかを聞いた・・・

 

動物病院に着くと、すぐに診察室へ通された。

慌てる私達を他所に、獣医は冷静に天使の治療をしていく。

閉ざされた瞳は、生理食塩水を染み込ませた綿で軽く擦ると、

金色に、か弱く光る瞳が現れた・・・

「目ヤ二でくっついてただけだね」

獣医は軽い口調で言うと、助手に

「レントゲン一応撮ってみよう」

そう告げると、天使を抱き、助手を引き連れて奥に消えていった・・・

しばらくして、レントゲン写真を持って獣医が診察室に戻ってきた、

天使は助手に抱かれて獣医の後に続いた。

「う〜ん、見えるかなこれ、骨盤折れてるね」

私達にレントゲン写真を見せるとそう言った。

「は!?」

私達は声をそろえてそう言った。

「骨盤が折れてるの、多分車と接触したか、人に蹴られたか・・・」

獣医は痛々しそうにそう言った。

「治す事はできるんですか?」

母が聞いた。

「治療と言う治療はできないね、これくらいの子だと骨がバターみたいにやわらかいから、ボルトが刺せないんだよね・・・糠に釘だね」

獣医はそう言うと、天使を助手から受け取り、診察台に乗せた・・・

天使は、折れた翼をかばいながらこちらを向いた、

普通はここで「にゃぁ〜」と猫が鳴いて、潤んだ瞳で飼い主を見つめるのだろうだが、

天使は違った・・・、

{じと〜〜〜〜}

ひねた目でこちらを見つめていた・・・

私は、小さな天使に恐怖を覚えた・・・・・

 

 

 

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