毎日の餌やりを始めて一週間程たった夜、あの三つ足の茶トラが来ませんでした。
何回数えても子猫は5匹…。
明日は来るかなぁと期待していたのですが、次の日もあの子は来ませんでした。その次も、そのまた次の日も来なかったのです‥。
あの子が来なくなって4日経ちました。
これはもう、どこかで死んじゃったのかも…。誰かに拾われて飼い猫になっているのかも知れないけど、楽観的な考えができません。だって私がもたもたしてないで行動していたら、こんな事にはならなかったんですから。
もうあの子に会えないのかな‥、会いたいなぁと考えながら、いつも通り猫達に御飯をあげました。お母さん猫と5匹の子猫がふやけたキャットフードを食べてます。
するとそこに、ひょこひょこ独特の歩き方で茶色い毛玉が近づいてくるではありませんか‥!あの子です!!茶トラの子猫です!!!
良かった、生きてたんだ…!
ヨレヨレでまた一回りちっちゃくなった様に見えますが、生きて歩いてる姿が見られただけで私は胸がいっぱいになってしまいました。
御飯を食べている茶トラに思わず手が伸びます。背骨のゴツゴツな手ごたえ。ガ、ガリガリです‥。目やにも鼻水もだいぶ出てる。
これは、この手を放してしまったら、次会える保証はない…!!
私は茶トラの子猫をむんずと掴んだまま、そーっと持ち上げて、部屋に上がり、窓を閉めちゃいました。母猫の目の前で堂々拉致です!(幸い子猫は無抵抗でした)
ごめん、ごめんねお母さん。大事にするからこの子私にちょうだいね‥!
窓の向こうのお母さん猫に念力を送る私なのでした。