アナ「皆様お待たせしました♪ ねこばなチャンネル、スポーツダイジェストのお時間です。」
「本日のコメンテーターは、辛口評論で知られる謎の覆面レスラー、4の字固めを得意技とするザ・カズモロイヤーさんにお越しいただきました。カズモさん、どぞよろしく。」
カズモ「はじめまして。」
アナ「え、ちなみに実況中継の時のミルマス・カズモさんとは別人のカズモさんです。」
カズモ「別人です。」
アナ「そうですね。」「それではさっそく先日おこなわれたWWCタイトルマッチの模様からお伝えしていきたいと思います。」
アナ「え、最初に試合の結果から申しますと、ごらんのようにチャンピオンのアントニオ・茶トラが挑戦者ラッシャー・ちび太を第二ラウンド45分、ホール勝ちで下したわけですが・・・」
カズモ「このあと大変なことが判るんですよね。」
アナ「はい。それは次の映像で。」
アナ「これはフォール直前の映像なんですが、なんとチャンピオン茶トラが二匹映ってるんですねぇ。」
カズモ「な、なんとっ!!」
アナ「そうなんです。実は奥で休んでるのがほんとのチャンピオンで、手前はチャンピオンのピンチを見て乱入してきた、茶トラのそっくりさんなんですね。」
カズモ「そ、それでは茶トラの影武者にちび太はやられたと?」
アナ「そうなりますね。」
カズモ「いったいいつ入れ替わったんですか?」
アナ「それでは次の映像を。」
アナ「ここ、ここであっかんベーしてるのは、すでにチャンピオンのそっくりさんのほうだったんです。」
カズモ「レフリー、まったく気づいてませんね。」
アナ「死角をたくみについてます。」
カズモ「しかし沢山の観客が、第一あなたも実況されててすり替えに気づかなかったんですか?」
アナ「・・・猫なもんで。一つの出来事に長く集中できないんですよ^^;;」
カズモ「・・・。」
アナ「と、ともかくこうして不正が発覚した以上、無効試合とするかどうか、只今レフリーが選手を呼んで事情聴取してる最中なんです。」「では現場を呼んで見ましょう。報道部のネコタアナ〜。」
ネコタアナ「はいっ。こちら控え室前です。中では敗れたちび太選手がレフリーにしきりに何事か陳情している模様です。」「チャンピオンの茶トラ選手は、苦虫噛み潰したような表情で試合後の体の清掃をおこなっております。」
アナ「なんか重苦しい雰囲気の控え室となってますねぇ。」
カズモ「こーゆー時は表に出て、風光明媚な国分寺国技館周辺に目を転じると、いい気分転換になったりするんですがねぇ。」
アナ「・・・。覆面が違うだけで、もしかして中身はおんなじ?ボソッ」
カズモ「にゃ、にゃにを突然っっっ。」
アナ「いえ、別に・・・・。」「あっ裁定が下ったようです。再び控え室前を呼んで見ましょう。ネコタアナ〜〜。」
ネコタアナ「はいっ。こちら控え室です。たった今、コミッショナーからの発表がありました。」
「それによると、「チャンピオンが影武者を立てて挑戦者をホールしたもので、著しい不正行為があったと認め、ベルトの剥奪と百叩きの刑をおこなうものとする。」という内容です。チャンピオンのアントニオ・茶トラ選手、早々百叩きの刑にあってる模様です。」
カズモ「ご、ごくり♪( ̄o  ̄;)」
アナ「・・・。どーやらリング上では替え玉が、ここリングサイドでは一人二役が横行してたようですね。」
アナ「あ。只今もう一枚衝撃的映像が送られてまいりましたっ。」
アナ「会話も入っておりますのでいっしょにどうぞ。」
「茶トラ「痛かった? ごめんごめん。」ちび太「ねえちゃん・・・グスン♪」
アナ「なななんと、タイトルマッチかと思われた試合、実は単なる兄弟げんかだったようです。」「まったくお話になりません。真剣勝負を期待されていた視聴者の皆様には、深くお詫び申し上げいたしますm(__)m」
「それではここ国分寺国技館前から放送を終了させていただきたいと思います。皆様さようなら〜〜。」
カズモ「国分寺、ええところだよ♪」