アナ「え、諸般の都合により放映が遅れてしまいましたが、只今よりファイナルラウンドの開始であります。」
カ〜〜ン♪
アナ「さー試合再開です。ゴングと同時にラッシャー・ちび太、猛然とタックルっ。渾身の力を込めて、アントニオ･茶トラをリング外に押し出しましたっ。」
「カズモさん、挑戦者は足腰強いですね。」
カズモ「踏ん張り具合がいいねぇ。」
アナ「さー場外では激しい睨み合いが続いております。」
「挑戦者ちび太がグルグルグルグル無限の円運動を刻んで、チャンピオン茶トラの隙をうかがっております。」
カズモ「目が回らんのかねぇ。」
アナ「耳を倒して尻尾をぶっとく膨らませて、戦闘態勢やる気マンマンの両者であります。」
カズモ「尻尾、太いねぇ。」
アナ「おぉーーっと、突然茶トラが寝転んだっ。」
「チャンピオン、あえて挑戦者得意のグラウンド勝負を挑んでいるのかっ？」
カズモ｢あーあ。背中がドロだらけになりますにゃあ。」
アナ「･･･そんなことより、試合のほうはいかがですか？」
カズモ「国分寺国技館は、閑静で情緒あふれるいいところです。」
アナ「･･･格闘場が閑静ってのはちょっと･･･。ところでいくら貰いました？＾＾；」
カズモ「・・・・。ほら、実況実況(；一_一)。」
アナ「あぁっ。カズモさんのスポンサー癒着疑惑を突付いてる間に、挑戦者ちび太のスリーパーホールドがガッチリ決まっていますっ。」
カズモ「あれ、落ちる瞬間気持ちいいんですよねぇ。」
アナ「落ちたら負けですね。チャンピオン茶トラ、ピンチですっ。」
カズモ「意識がフッ♪て遠のいて、あぁ落ちるぅ♪って瞬間が、たまりませんねぇ。」
アナ「チャンピオン、必死に手足をばたつかせてますが、はずれそうにありませんっ。」
「このまま極まってしまうのか？新チャンピオン誕生となるのかっ？」
カズモ「表情が恍惚としてきましたねぇ♪」
「･･･大変いい場面でありますが、申し訳ありません。まことに残念ですが放映時間終了の時刻が近づいてまいりました。この試合の結果は、翌日の「ねこばなチャンネル」スポーツダイジェストにて皆様にお伝えしたいと思います。」
「本日は、空飛ぶ解説者ミル・マスカズモさんをお招きしてお贈りいたしました。カズモさん、ありがとうございました。」
カズモ「･･･こんな解説で、ギャラは、だいじょうぶですかねぇ。」
アナ「それはちょっと、局のほうと・・・。」「え、スポーツダイジェスト、明日の夜放映です。チャンピオン交代か？私も楽しみです。」
「それでは皆様、このへんで国分寺国技館よりお別れいたします。さようなら〜〜。」
カズモ「あっ。落ちそう。・・・(￣o ￣;)ジュルッ♪」
