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Apr 06, 2013
海洋資源をいかす開発技術の育成を
政府は愛知・三重県沖の海底地層に広がるメタンハイドレートから、世界で初めて天然ガスを取り出すことに成功した。南鳥島沖の海底の泥には、携帯電話やハイブリッド車の生産に欠かせないレアアース(希土類)が高い濃度で含まれていることもわかった。

 商業生産には割高なコストなど課題が多く、輸入に頼る日本の資源自給率がすぐに改善するわけではない。だが、日本を取り巻く広大な海洋には豊かな資源が眠る。国産資源の利用に向けて開発技術を育てていくことが重要だ。

 メタンハイドレートは天然ガスの成分が地中深くで水と結びついた氷状の物質だ。日本周辺の海域には日本の天然ガス消費量の100年分が存在するという。

 ハイブリッド車のモーターに使うジスプロシウムも、海洋研究開発機構などの調査で日本近海に国内消費量の230年分を超える量が存在する可能性が出てきた。

 海底から噴き出した熱水に含まれる銅や亜鉛、金などの金属成分が積もってできる熱水鉱床も伊豆諸島や小笠原諸島などの周辺に分布することがわかっている。

 夢は膨らむが、過大な期待は禁物だ。現状ではどれも採算の確保が難しい。メタンハイドレートは日本が輸入する液化天然ガス(LNG)の価格に比べて何倍も高い。中国に輸入の大半を依存するレアアースでは代替技術の開発や調達先の分散が先行する。

 それでも海洋資源を効率良く探したり、掘り出したりする技術の確立に取り組む意義は大きい。

 原子力発電所を代替する火力発電用のLNGや原油の輸入が急増し、年間3兆円規模で国富が流出する要因となっている。国産資源という選択肢を持つことが、資源国に足元を見られずに、調達交渉を進める材料になる。

 メタンハイドレートはカナダの永久凍土層などでも埋蔵が確認されている。海外では海底の金属資源を掘り出す民間プロジェクトが動き出している。世界各地で本格化する競争に日本企業が加わるには技術が不可欠だ。

 メタンハイドレートでは地中から取り出す際に水とガスに効率的に分け、安定して生産する方法を確立しなければならない。そのためには当面、資金面などで国の支援が必要だ。政府は近く、新たな海洋政策の柱となる「海洋基本計画」を策定する。豊かな資源をいかす長期戦略が欠かせない。
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初外遊に込めた習氏の思惑
1国の首脳の外国訪問に政治的なメッセージが込められるのは当然だろう。まして初外遊となればメッセージ性は強い。

 中国の習近平国家主席は、就任後初めての外遊でロシアとアフリカ3カ国を訪れた。伝わって来るのは、米欧主導の国際経済秩序を揺さぶり、新たな秩序を生み出したいという意欲だ。

 胡錦濤前国家主席の初外遊先もロシアだった。国際問題で米欧に対抗して共闘する局面が多いうえに、習政権が唱える「海洋強国」の実現にはロシアとの関係安定が欠かせない事情がある。太平洋やインド洋での存在感を高めていくための戦略的な布石として、対ロ関係を重視しているわけだ。

 胡前主席はロシアの後、カザフスタンとモンゴルを訪れた。習主席がアフリカに向かったのは、主要な新興5カ国(BRICS)の首脳会議が南アフリカで開かれたためだが、同時に、中国外交の軸足が近隣諸国からグローバル規模に広がったからでもあろう。

 中国とアフリカ諸国の経済関係は急拡大しており、アフリカでは「中国製品がアフリカの製造業の発展をそこなっている」といった不満も出始めている。習主席は配慮する構えを示したが、今のところ具体策は乏しい。

 新たな国際経済秩序をめざす中国の思惑が端的に表れたのは、首脳会議で合意した「BRICS開発銀行」の設立計画だ。米欧の強い影響下にある世界銀行や国際通貨基金(IMF)を揺さぶり、その存在感を相対的に弱めようという狙いがうかがえる。

 IMFや世銀は途上国の経済実態への配慮や柔軟性を欠いているとの批判を浴びてきた。BRICS開銀がこうした問題の是正に役立てば意義は小さくない。

 ただ中国の対外援助はかねて不透明と指摘され、人権や環境への目配りも足りない。BRICS開銀が透明性の高いルールづくりを阻害したり、やみくもな経済開発を促したりする心配は拭いきれない。注視していく必要がある。
経済再生の兆しをかたちにしよう
日本経済が長らく続いた低迷から、やっと抜け出せるかもしれない。そんな予感が漂うなかで新年度が始まった。

 今はまだ目に見えて変わったり、良くなったりしたことは少ない。けれども可能性の窓は開きつつある。この機会を逃すことなく、経済のよどんだ空気を入れかえ、再生の兆しを具体的なかたちにしていきたい。

企業は成長へ投資を
 変化を最も予感させるのは、経済の体温計である株価だ。日経平均株価は2012年度に20%上昇した。デフレ脱却を掲げる安倍晋三首相の登場をきっかけにして、主に外国の投資家が日本企業に再びお金を投じ始めたからだ。

 株価の上昇は将来への悲観を和らげ、個人の財布のひもを緩める。百貨店で高級品の売れ行きが良いことの背景の一つには株高がある。賃上げや雇用の拡大に積極的になる企業も増え始めた。

 株価の上昇が実体経済に良い影響をもたらす筋道は見え始めている。これをさらに太く、確かなものにしたい。

 何よりもまず、企業のなすべきことは多い。

 株価上昇の直接の理由は、金融緩和の期待で円高が是正されたことだ。1ドル=95円前後を前提にすると13年度の企業収益は50%程度の増益になるとの試算がある。現状の株価はこうした収益の大幅改善を反映している。

 企業は市場の予想に見合う実績を示さなければならない。そのためには人件費や経費を減らすだけのリストラではなく、事業構造の大転換が必要だ。三菱重工業と日立製作所は火力発電設備事業を統合する。海外との競争にうち勝つための国内事業の再編に、もはや聖域はない。

 金融危機後にため込んだ60兆円の手元資金を活用するなどして、成長戦略を加速させることも課題となる。オリックスがオランダの資産運用会社の買収を決めたように、手薄な分野の事業を一気に強くするためにM&A(合併・買収)を検討する企業は多い。

 成長投資を検討してもなお資金に余裕があるなら、増配や自社株買いで投資家に現金を還元することも、市場の期待に応える有効な財務戦略だ。

 国の責務も引き続き重い。

 大胆な金融緩和と機動的な財政政策の組み合わせにより、経済好転の期待を形成する政策は今のところ、うまく進んでいる。ただし金融と財政の合わせ技は対症療法にすぎない。経済を自律回復の軌道に乗せるには、規制改革や法人税の引き下げなどが必要だ。それは外資の対日投資を促すためにも有効となる。

 規制改革の照準は雇用、医療、農業など既得権益団体の反対が根強い岩盤規制だ。3年ぶりに復活させた規制改革会議を機能させるには、規制官庁の逃げを許さないよう首相官邸が強固な後ろ盾になる必要がある。

 日本への信頼を保つためには、財政への目配りも不可欠だ。15年に消費税を10%に上げても歳出を絞り込まない限り、20年度に財政の基礎収支を黒字化するという国際公約の達成は難しい。年金や医療、介護などに切り込み、経済政策の力点を財政から構造改革に移すべきだ。

 企業の成長戦略を支援するという意味では、エネルギー政策を確立することのほか、交渉参加を決めた環太平洋経済連携協定(TPP)を核に輸出と投資を伸ばす通商政策を描く必要がある。

個人をもっと磨くとき
 資源の乏しい日本の最後のよりどころは人材である。個人が自らの力を底上げしない限り、企業も国も競争力が高まらない。

 変化の速いグローバル経済のなかでは、問題をすばやく分析し、解決策を導き出す能力がますます求められる。中小企業に至るまで海外勢との競争を強いられる現実を考えれば、英語などの語学力は欠かせない。財務や会計、法務といった専門分野の知識もできるだけ深めておきたい。

 そのためには、年齢にかかわらず自分を磨きつづけることが大切だ。経済協力開発機構(OECD)の加盟国は、平均して大学生の2割超を25歳以上が占める。社会に出た後に学び直すことが少ない日本では、この比率が2%程度と極端に低い。

 社会人になって初めて学びの大切さが分かったという経験は、多くの人に共通する。企業が従業員の研さんのために有給休暇などを使いやすくするといった手立てをとることも、経済再生の担い手を増やすための一歩となる。