泣き叫ぶジナを抱いて、病院に連れて行きました。色々と検査をしてもらい、体の中は問題なかったのですが、ネズミ捕りの接着剤が体中に張り付いて、どうしようもない状態でした。獣医さんも、一度は毛を刈ろうと試みました。でもまだ小さくて皮膚が薄いので、体まで傷つく可能性があり、断念。結局、小麦粉を塗して、接着剤をポロポロと取っていくしかないという事になりました。小麦粉というのは意外に思いましたが、とてもいいアイデアですね。獣医さんって結構いろんなことに対処できるんだと感心しました。要は揚げ物などをする時、卵でベトベトの手に小麦粉が付いてしまったのを、ぽろぽろと取る感じです。猫は自分の体をなめようとするので、小麦粉などの食品が良いとの事でした。
こうして、家に帰って早速、ジナを小麦粉に塗し、から揚げ状態にしました。接着剤はかなり強力で、少しの小麦粉ではびくともしません。こうした作業を地道に2週間ぐらい続け、伸びてきた毛は小麦粉と共に切り、やっと何とか普通の猫らしくなりました。
そうそう、名前を由来ですが、”ジナ”とはスワヒリ語で名前といいます。以前タンザニアに住んでいたことがあり、その時飼っていた猫と同じ名前です。その当時、拾ってきた猫になんていう名前をつけようか悩んでいました。猫だけに”ニャマ”という響きがいいなとは思ったものの、実はスワヒリ語で肉という意味なんです。こんな名前を付けたら、タンザニア人に食べられちゃうかも、と思い、”名前”すなわち”ジナ”でいいやって感じでつけちゃいました。でも結構タンザニア人にはうけてました。だって”彼の名前は名前って言うんだよ”というふうに紹介したからです。