母親のカズさんと外ばかりみてる俺
超高速の猫パンチ 届かないとこにいる
やり場のない気持ちの扉破りたい
お城の裏トレイを返して見つかれば逃げ場もない
しゃがんで丸まり背を向けながら
心のひとつも分かり合えない飼い主をにらむ
そしてニャかま達は今ニャ
家出の計画をたてる
とにかくもうキャリーバッグには帰りたくない
自分の存在がなんなのかさえ
わからず震えている15のホン
盗んだシーバで太りだす
体重も判らぬまま
暗い夜の帳の中へ
首輪に縛られたくないと
逃げ込んだこの夜に
自由になれたきがした15のホン
冷たい鼻重い身体 猫恋しくて
夢見てるあの娘の後ろ ワーワー言いながらついて行く
家の中ポツンと置かれた ネズミのおもちゃ
咥えるだけで楽しくなる
前足で抱え込む
恋の結末も判らないけど
あの娘と俺の将来さえずっと夢に見てる
飼い主達は体重を落とせ落とせと言うが
俺は嫌なのさ
退屈な家が俺達のすべてならば
なんてちっぽけでなんて意味のない
なんて無力な
15のホン
盗んだシーバで太りだす
体重も判らぬまま
暗い夜の帳の中へ
覚えたてのマタタビ咥え
星空を見つめながら
自由になれた気がした
15のホン