昨夜遅く帰って来ました。
帰るとカズがシーバをねだるので、急いで着替え物入を開けてシーバを取り出し、猫達に与えました。そしてトイレの始末。
その間マルスの姿が見当たりませんでした。
フロラもそうですが、よく隙間に潜り込んでいることがあるので、そのうち出てくるだろうと思いながらも、姿を見るまでは心配で探しまわりました。
あらゆる隙間を探しても見当たりません。まさかとは思いながらも猫が自力では入ることの出来ない物入を一応開けて見ました。さっきシーバを取り出した物入です。
すると中段に置いてあった香炉が落ちたのでふと見ると、マルスがいました。
紙袋の取っ手の紐が首に巻きついて、首吊り状態でした。
慌ててマルスを助けようと身体をもって紐を外そうとしました。しかし身体は硬直していて冷たくなっていました。紐はねじれていてどちらに回しても解けず、鋏で切って外しました。
座布団の上に寝かせたマルスは硬くなってそのままの姿勢で、関節がまったく動きません。脈を探ってみても、自分の手が激しく脈打っているばかりで、マルスの鼓動は感じられません。瞼を開いて見ましたが、瞳孔は開ききっていて、鉛色のガラスのようでした。
私は泣きながら友人に電話したあと、心臓マッサージと人工呼吸をしました。
人間ですらしたことはないし、まして猫の正確な心臓の位置や、人工呼吸の要領もよく判りませんが必死でした。しばらく続けていると心臓を押すたびに、口から泡が出てきました。今思えば、胃液か肺に溜まった水が出てきていたのかもしれません。
その後友人の助言で、いくつか動物病院に電話したり、直接行って見ましたが、診療時間が終わっていたり、「呼吸がない」と説明すると治療できませんと言われたり。
そうするうちにマルスの身体は硬直が解けてきました。
マルスは旅立ってしまったようでした。
物入の中のマルスがいた場所のすぐわきにはマルスの乾いたうんちが落ちていました。
マルスをタオルにくるみ、膝で寝るのが好きだったので膝に乗せてあげました。その後、まだ一度も一緒に寝たことがなかったので、横に一緒に寝ました。
恐らく朝出かける前に三回物入を開けた時に入り込んでいたのでしょう。
しかし、出かける前にちゃんと姿を確認していれば、あるいは助かっていたかもしれません。
ちゃんと注意していなかった私の責任です。
マルスをこんな目にあわせたのはわたしです。
マルスは旅立ってしまいました。
いろんな所に登るのが好きで、背中に爪をたてて登ってきました。
先住猫のホンに最初に近づいていったのはマルスでした。
元気な可愛い子でした。大きくなったきっとかっこいい猫になるだろうと楽しみにしていました。
フロラにマルスの名前を受け継いでもらいます。
マルスの分まで遊んでほしいと思います。