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家の近所にな、親猫派のおばちゃんがおんねん。えぇ人やでぇ。
そこら辺の野良も自分んちの住猫にも、わけへだてせずに、おまんま恵んでくれよんねん。 そやからな、いっつもそのおばちゃんの家の前には猫がぎょ〜さんおんねん。ただ運の悪いことにな、そのおばちゃんち、すぐ横が車道でなぁ、ようけ猫が踏みつぶされますのや。
でな、そのおばちゃんがな、地元の市議会議員に頼んだんや、「ここに横断歩道ばつけてくれんねぇ。(猫用に)」てな。そんで本当に横断歩道ができれば 日本の微笑ましい光景として、CNNのトピックスになるんやけどな、実際そうはいかへんねん。
その議員もな、「猫用」とまでは言わんかったらしいけどな、「人用」の横断歩道ならできるんちゃうかぁゆうてな、警察のお偉いさん呼んできて、相談したらしいねん。そやけどな、すぐ近くにちゃんと横断歩道があるんやて。 「だから無理です。」ゆうて断られた。
そやけど市議会議員も諦めが悪い人でな、「ここは確かに人間にとっても危ないところやから、横断歩道が無理なら、せめて車にスピードを落とさせるようにできへんか、ゆうてな、猫とゆうよりは人間のためにゼブラっちゅうもんと、ガードレールに反射光っちゅうもんを作ったらしいねん。えぇ人やなぁ。
でもなぁ、人間には便利でもな、猫には役に立たへんねん。もし横断歩道ができたとしてもな、猫が渡るかっちゅうねん! ま、そのおばちゃんやけどもな、「あんたに頼んでもな〜んもしてくれん。」ゆうてな、えらい怒っとるそうやで。
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