しかし、この臓器別医療を後期高齢者に適用していいのだろうか。臓器別医療が悪いと言う訳ではない。むしろ、これによって多くの命が救われたことは事実であることは間違いない。しかし、これは身体の一部を修復したようなもので、身体全体のことを考えているとは言いにくい。これがはっきり分かるのは、臓器移植である。なぜなら、臓器移植後は、免疫抑制剤やステロイド等といった薬を飲み続ければならないことや、それらの薬の副作用で腎臓が悪くなることが理由である。後期高齢者にとって必要なことは、身体を全体で考える医学・医療である。これを担うのは家庭医である。