経って。王子が子供の頃から必ず飼い主か帰宅した時は玄関で待っていてくれたので、未だに夜帰宅した時は玄関のドアを開ける時「もう待ってないんだ」と思い開けるまで少し、勇気がいる。
寝るときに腕枕で寝ていた王子の重みが感じられなくなり、例えようがない寂しい空間を腕に感じる。
だんだん、王子の柔らかい毛の感触の記憶が手のひらから薄れてく。思い出そうとすると、全ての力が王子から去っていったあの瞬間の柔らかくなった何も答えなくなった王子に辿り着く。それからまた最後の日を思い出す。
けど、ちび姫が一人になったせいか甘えて大変で夜も必ず一緒に寝るようになった。変だけど、自分をかまわせる事で王子の事を考えさせないようにしてくれてるようにも感じる。ごめんね、姫。心配かけてるんだね