ここ数日我が家はちょっとドタバタしている。
というのも、私とジジイ二人ともウイルス性の腸炎で倒れてしまった。
まずはジジイが遊びに行った先でかかって帰ってきた。
「ひでー目にあった」とうつろな目をしており、なかなか体調は回復しなかった。
どうにかこうにか元に戻りつつあった時に、今度は私がかかった。
まったくどうもなかったのに、夜中急に激しい嘔吐と下痢。
それが明け方まで続いた。
とても勤務できる状態ではなく、急きょ休みをもらい病院へ直行。
脱水を起こしていたために点滴を受ける。
・・・ホントに死ぬかと思った。職場に連絡を入れると私以外にも症状が出ている人がいるらしく、職場の知人が逐一連絡を入れてくれるのだが、その数はどんどん増えていった。
もう仕事にならない状態だそうな。
何とか体調も回復し、昨日から仕事に出ているのだが、なんと治ったと思ったジジイにまた症状が出てしまった。
これはあきらかに私からの感染であろう。
なんと強いウイルスか。
そして、もう一つ私を悩ませるもの。
それはこれ。
。
新たに加わったお姫様。
私がよろよろしながら病院に行こうとすると姉からメールが。
「今日ちょっとうちに来て〜ん♪」
そして行ってみたらこの姫がいたと・・・。
姉宅の室外機の後ろで鳴いていたのを子供たちが発見したのだ。
玉三郎よりもちょっと大きい。ふわふわの毛皮を持った子だ。
5歳児の3男坊が気に入って「おうちで飼いたい」と懇願したのだが、かわいそうに彼はアトピー、飼うことはできない。
無理だとわかった3男坊はコタツに潜ってしくしくと泣いたのだそうな。
「お願い!どうにかして!!」両手を合わせて頼む姉。これで姉宅から我が家にスライドされるのはトラレオ龍之介に次いで4匹目となる。
まあ、タマちゃんの遊び相手にもなるし、よかろうと連れてきたのだが・・・。
これが・・・これがねえ・・・。
トイレは覚えないわ、異常な食欲を示すわで、非常に手を焼いている。
トイレのしつけでこんなに手こずるのはこれが初めてだ。
いくらトイレに誘導しても
「ここはいや〜ん」と決してトイレではしない。
何がなんでも平面でしたがるのだ。
しかもどこでもするために、一日でホットカーペットカバーを3枚洗濯した。
今までの子は難なくクリアできたのに・・・。
そしてほかの子と違うところがもう一つ。
それは異常なる食欲。
はじめは「よく食べるやつだな〜」とジジイと笑っていたのだが、だんだん笑えなくなってきた。
トイレの場所は覚えないのに、台所の場所は一発で覚えた。
私が立つと、
「なになに?ご飯?ご飯?」と足元にまとわりつき、台所めがけて突進して行く。
・・・こ・・・こいつ、さっき食ったのに。下痢ぴーであるために病院からもらってきた食事以外はあげられない。
心を鬼にして無視していると、くんくんと警察犬のごとく食べ物の匂いをかいでまわる。
ほかのネコたちの食べ残しはすでにテーブルの上にあげてある。
しかし敏感な鼻はその匂いをキャッチした。
すさまじい勢いでテーブルに乗ろうとするのだが、絶対に子猫では登ることのできない高さだ。
それなのにこいつはどのルートから行けば上に登れるのかと瞬時に判断し、信じられない行動力でそれを可能にしてしまうのだ。
うっそ!!あまりのミルクのすさまじいオーラにつられて玉三郎もパニックになる。
ただ走り回るだけだが。
労力むなしく私から降ろされると、今度は別なものをねらう。
それはガスコンロの上の鍋。
それこそ絶対に登ることはできない。
しかし、ミルクは懇親の力をこめてジャンプする。
じゃーんぷ!!!ま、まさか〜!!!・・・・・・そして床に不時着。当たり前だ。
玉三郎の時はほかのネコとうまくやっていけるか心配したが、こいつの場合それは二の次三の次だ。
だいたい本人がほかのネコを気にしていない。
ミルクの目に映るのは食い物だけ。
自分の分を食べてしまい、他のネコのを横取りする時もいくら激しく唸られてもそんなものミルクの耳には聞こえていない。
お腹が一杯になって正気に戻ると、あ、猫がいっぱいいる・・・と気づくありさまだ。
食事以外では玉三郎の半分も動かない。
とてもおとなしく、タマちゃんからタックルをされても
「いや〜ん、やめてよ〜」と逃げている。
しかし食べ物をゲットするためなら120%の力を発揮するオンナ。
それがミルク。
トイレがうまくできないということは致命的ではないかと思う。
私は子猫を保護して里子に出そうと思ったことは一度もないのだが、
このこばかりは誰かもらってくれないかな〜と本気で思った。
しかし、一昨日あたりからものすごく寒くなってきて、
夜、外にいると、ああ、こんな寒い中ミルクが凍えていなくてほんとに良かったと思う。
姉宅に来たら必然的にこのうちに来ることになる。
これもまた運命であろう。
別にトイレに失敗して汚れてもいいじゃん。洗濯すればすむことだ。
このくらい大雑把な考えでいないとしょせん生き物なんて飼えないのである。
ミルクよ元気に育つがよい。