事の始まりは一昨日の夕食時。
私は遅番で帰ってきたので、ジジイはすでに夕食は済ませていた。
しかし、姿がない。
おかしいなとは思いはしたが、夜の散歩も始めたのだろうかと気にせずタコとイカの刺身をぱくぱく食べていた。
するとほどなくしてジジイ帰宅。
何気に会話を交わしていたが、しばらくすると
「坂の途中の○○さんのところに車を放置してあるだろ。その近くで子猫の鳴き声がするんだよね」と言うではないか。
昼休みに帰ってきた時にもジジイはいなかった。
おそらくその時もさっきも子猫の様子を見に行っていたに違いない。
私は食事を中断して早速保護に向かった。
あいにく懐中電灯の電池は切れている。外は真っ暗。
「散歩?散歩?」とはしゃいで寄って来た華と小太郎を玄関に閉じ込めダッシュ。
すると、生い茂った草むらの中で子猫の鳴き声がする。
どこだ?どこだ?と手を動かすと柔らかいものに触れた。
手のひらサイズの小さい小さい子猫。たった一匹だけ捨てられていた。
よく来たね。元気に育てよ。
全身真っ黒の黒猫ちゃん。か、かわいい〜〜!!
「お父さん、この子がいたよ〜!!」と言うと
「あ、連れてきたのか」と言う。アンタが気にしてたんだろうが。
小さい、ホントに小さい。トラ、レオ、龍之介の小さい頃を思い出す。
元気一杯に泣き叫ぶ子猫。ジジイの見立てではオスらしい。
よし、大きくなれよ〜と、目じりを下げている我々を遠巻きに見ている集団。
先住ネコたちだ。
新しい子が入ると先住ネコたちには相当なストレスがかかる。
それはトラたちを保護した時にも感じた。
お嬢たちは「もう知らない」とばかりに冷たく背中を向ける。
坊ちゃんズは「・・・あのもぞもぞ動いているものは何??」と遠くからじっと見ている。
そして一番顕著な反応を示したのがレオである。
私が子猫にかまっていると、「あお〜ん、あお〜ん」と私を呼ぶ。
坊ちゃんズの中で一番私にべったりなレオ。
「レオちゃん、レオちゃんが一番好きなんだよ〜。でもこの子はまだ小さいから」
とレオの元に行って頭を撫でるととりあえず鳴くのを止める。
しかし、また子猫のところに行くとまた鳴き始めるのだ。
子猫とレオの間を数回行き来するワタシ。
ああ〜ん、もう困っちゃう(嬉)
子猫は私の部屋にいるのでレオ以外は部屋の中に入ってこない。
とりあえず、子猫が眠っている時は茶の間に行き、他のネコたちの相手をする。
めんどくさいが仕方がない。
子猫に興味はあるものの、すぐ逃げる。
うぷぷ、可愛い。ポケットの中に入ってます。
疲れたね。ゆっくりおやすみ。
この子、ちゃんちゃんこがどうも気に入ったらしい。
ちゃんちゃんこの上だとすやすやと眠ってくれる。
それにしても子猫の爪って凶器である。服の中に入ってきたがるので私のお腹は傷だらけ。
久しぶりの子猫の世話はやはり大変だ。夜中にも起こされて授乳しなければならないので寝不足気味だ。
やれやれ、勉強もできないよん。いや〜、落ちる口実が見つかって良かった。
それにしても我が家の近くに捨てるとは、狙われているんじゃなかろうな。