今月は、銀の命日がある月です。
銀は、佐助と同腹の子。生きていれば10歳半。
彼は生後7ヶ月までは、佐助達と同様に庭猫でしたが、
突然食べても吐くようになり、病院へ連れて行って検査したところ、「幽門部不全」という診断でした。
手術が出来ないと言われ、薬で治療を続けて2年。
11月の下旬に亡くなりました。
この病気になってから、家での看護が始まりましたが、とにかく吐く。いや、吐くというより、「噴く」んですね。噴水のように。
だから、至る所に新聞紙を敷き詰め、かれが「コッコッコ!」と喉を鳴らし始めると、ティッシュを掴んで彼の前に置いて・・・
1日何回もその繰り返し。それが丸2年続きました。
夜中でも関係ないので、この2年間は殆ど満足に眠れなかったと思います。
日に日に痩せていき、最後は1.35キロまで落ちましたが、そんな中、あんず・ヤム・チャを保護し、生活を3ヶ月ほど一緒にする間に、彼も少しは楽しかったようです。友達が出来たというか、賑やかになって、ちょっかいを出してくるあんずには、多少迷惑そうでしたが、それでもあまり嫌がらず、一緒に寝ていることもありました。
銀の思い出で一番覚えている事は、家の中で面倒を見始めた頃、やっぱりちょっと緊張もあり、家の中での慣れない生活が怖かったのでしょう。
ある時、突然、横になって寝ている私の頭頂部で、爪を思い切り研いだんです
それはそれは痛かったです
誰だ?と思って顔を上げると、銀がそそくさと逃げて、出窓に行って、硝子戸の陰から半分顔を出して、そ〜っと様子を窺っていました。
その怯えた目に、怒る気にもなれず、反対に、可哀想になってしまった事。これが一番覚えている出来事です。
でも、それ以来、彼は私によく懐き、2年間頑張って生きてくれました。先生も「ここまで生きられたのは凄い事ですよ」と言われました。
佐助のように大きくはなれなかったのは残念でしたが・・・。
彼は真夜中、廊下に置いてあるベッドで、ひっそりと息を引き取っていました。その1時間前には、その前を通って、私はトイレに行ったのですが、その時には異変はなかったのに。
あっけない最期だったように思います。