
通報者のおばちゃんの家に
たどり着いて
ピンポーンと
呼び鈴をならすと、
彼女はまたまた
パジャマ姿で
ドタバタ出てきた。
「おかげさまで無事に保護できました。」
「どうもありがとうございました。」
するとそれを聞いたおばちゃんは、
「えっ、無事に捕まったの〜〜っ?」
「ああ〜〜っ、ほんとによかった〜〜あ!」
と言ったあと、感極まったのか、
いきなしおいおい声をあげて泣き出した。
「・・・・・」
(↑まさか彼女が泣き出すとは思わなかったんで、
実はおいら、そのリアクションにちょっと戸惑ってる。)
そんでもっておばちゃんは、
捕獲器の中でオロオロしてるあやつを見ると、
「あんたよかったねー。ほうら飼い主さんだよ。」
「もう逃げたりしちゃダメよ!」って、
・・・・まだボロボロ泣いている。
「2ヶ月半の間あんたもよく頑張ったね〜。」
「でも、もう大丈夫だよ〜。」
「・・・・・」
そんな彼女の姿を見ておいらは、
ああ、この人、
ほんとに優しい人なんだな〜って、
素朴にそう思ったんだが、
そこでふとよく見ると、
おばちゃんの右手には、
おいらのチラシが
小さく折り畳んで握りしめられてて、
「・・・・?」
なんでも彼女は
おいらが裏庭で捕獲作業をしてる間、
もう心配で心配で、
いてもたってもいられなくなって、
おいらのチラシを
小さく小さく幾重にも折り畳んで、
そしてそいつを両方の掌に挟んで、
そんでもって
自宅の仏壇に向かって掌を合わせて、
懸命においらのために
そして、あやつのために、
ず〜〜〜〜っと、
・・・・祈り続けてくれてたそうだ!
「無事に捕まりますように。
何とぞ猫ちゃんが無事に捕まりますように‥‥‥」
「・・・・?」
(えっ、それってマジ?)
(おばちゃん、ほんとにそんなことやってたの?)
「・・・・!」
「・・・・!!!」
そのときだった。
なぜかそしていつからか、
おいらの中に棲みついてたクール・キャラが
(実を言うと)
思わぬ形で訪れた衝撃に
ガラガラと音をたてて崩れ、
(おばちゃんがずっと祈ってくれてた間って、)
それまでの
不思議な冷静さから一転して、
(おいら、ただ)
突然おいらの中で
何かが「バチッ!」と音をたてて弾け、
(コーヒー飲んで座ってただけなんだけど?)
一気に、
そうほんとに猛烈に一気に
・・・・ググッと熱いものがこみ上げてきた!!
おばちゃんっ、ありがとう!!
おいらの駄猫のために
そんなことしなくてもよかったのに。
なんかすんごく心配かけたみたいで、
えらい申し訳ないス。
・・・・ホントに・・・・ホントにありがとう!!!
(あ〜、これって微妙にやばい。完璧にジ〜ンときたっ!)
とまあ、こんな感じで
なんか思わずもらい泣きしそうになったおいらだが、
そこは男の子だもン
しっかりグッとこらえて、
「今日は本当にありがとうございました。」
「また後日、お礼を兼ねてご挨拶に伺います。」
と深々と礼を述べ、そして
あやつが入った捕獲機を
注意深くクルマに乗っけると、
車中から再び彼女にお礼を言って走り出した。
早速おいらは、
横目で車内の時計を確認する。
「おっと、もうこんな時間か?」
「いつまでもゆっくりとはできないな〜。」
さあ、これからなにかと忙しくなるぞっ!!
そう自分に言い聞かせておいらは、
何気にクルマのルームミラーを覗いた。
するとそこには、
まだ玄関先に立ってるあのおばちゃんの姿が映ってて、
そう、鏡の中の彼女は
おいらのクルマに向かって
何度も、何度も、
ホントに、いつまでも何度も
「ありがとうございます。」ってお辞儀してる。
「・・・・!」
(おばちゃん、それはちょっと違うんじゃない?)
でも、鏡の中のおばちゃんは、
まだお辞儀をやめようとしない。
・・・・だから、違うって!
だって、だって、
これって全然違うだろ?
ここで「ありがとう」って言わなきゃなんないのは
・・・・ お い ら の 方 だ っ て !!
あ"〜〜、もう完璧にメロメロっす。
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ちなみに当ブログでずっと使用しているあやつの画像は、
その年の暮れにおばちゃんに送った年賀状の写真だ。
それは今でも大切に
彼女の家に飾ってあると聞いたもんだから、
・・・・おいら、ほんとにどうしよう?

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