昨日は、夕方から夜までの7時間程度の間に、何だか色々な事が起こったので、そのお話をさせて下さい。
16時半頃。
同居人のバイクで通院している病院まで送ってもらう。
17時半頃。
待合室に人が少なかったのもあって、直ぐに診察に入れ、診察終了、処方薬受け取りも終了。
帰宅したばかりの同居人にバイクでお出迎えをして貰う。
18時頃。
近所のディスカウントショップで、飲み物と晩ご飯用の『お鍋の素』等を買出し。
買い物終了後、同居人が
『川沿いで一服してから帰らない?』
と言うので、そのままバイクで河川敷へ向かう。
途中、バイク運転時に着用しているサングラスを、買出ししたお店付近で落とした事に気づき、Uターン。
(後で思えば、この些細な出来事が、先ず第一の出来事。)
お店前の路肩にバイクを駐車していた付近にサングラスが落ちていたので、無事に回収、再度河川敷へ向かう。
橋を超えて、隣の県側の河川敷へ。
土手側の路肩より中に入った場所に、バイクを駐車し、川沿いの土手を歩く。
夜風の冷たさと、バイク風で体が冷えたので、土手を挟んだ道路の反対側の歩道にある自販機で、温かい飲み物を購入。
再び川が見える位置まで土手に上がり、同居人と並んで腰を下ろしてタバコに火を点す。
ただ、川を眺めて、橋の上を走る車のライトを眺めて、川向こうの住宅地の灯りを、ボーーーッと眺めながら、同居人と話をしてた。
19時頃。
2本目の煙草を吸い終わり、飲み物も空になったので、
『そろそろ帰ろうか?』
『息子らもお腹空かせ始めてる時間だね〜。』
と土手を下り、飲み物を買った自販機の横のゴミ箱に缶を捨てて、もう一度土手に上がって、土手の上からバイクを駐車した位置にまで戻る。
土手を下る道をてくてくと歩いていると、『車進入禁止』の柵付近に1台の車と、2人の人影。
バイクはその柵の前に駐車していたから、
『バイク荒らしとかじゃないよね〜?』
『何か柵を外して車を中に入れてるみたいだけど、バイクは平気でしょ〜。』
とか言いつつ、てくてく。
柵の中に入って一時停止させて、外した柵を戻している人と携帯で電話をかけている人の2人連れを横目に、バイクに近づく。
『あ、すいません!!!』
携帯で電話をかけていた男性が、私らを呼び止めた?
まだ電話の途中の男性は、一旦電話を区切らせた所で、立ち止まる私達に声をかけてくる。
『・・・車を柵内に入れる際にですね、そちらのバイクの後ろの右側のウィンカーランプに、キャリアがぶつかってしまって。。。』
よく見ると、その車の後ろには、ボート等を運搬する際に使用する荷台の様な物が車の後ろに連結されていた。
同居人は、ぶつかった箇所を確かめに、バイクの元へ。
私も後ろを連いて行って、一緒に覗き込む。
バイク後ろの右側ウィンカーが根元から折れかかっていて、ぶらんぶらん状態。
それと、リアフェンダーに擦れ痕。
後、ぶつかった拍子で車体が若干振られたのか、停めた時より傾いているハンドルを確認すると、キーロックが解除されない。
同居人がハンドルを動かし直して、もう1度ロック解除をしたら出来た様だが、ちょっと要注意の箇所。
『今、警察に電話して、向かってもらってますので、ちょっと待っていて下さい。』
川沿いでリフレーッシュ!を兼ねてちょっと寄っただけなのに。。。
(第二の出来事、発生。)
20分程待っても、なかなか警察は到着せず、寒さに耐えかねた私は、目の前の公園のトイレを拝借し、また自販機で温かい飲み物を買いに、その場を離れる。
戻って来たら、2人の警察官が各々、同居人と警察を呼んだ車の運転をしていた人達に事情聴取している所だった。
車に乗っていた2人は、事故の状況の説明。
同居人は、傷の箇所、ハンドルの方にも若干支障が出てるかも的な事を伝えていた。
調書を確認した所で、
『お互いの連絡先を交換し、修理金額の賠償請求方と、保険会社を使うかは、当事者同士で話し合って決めて下さい。』
と言われたので、同居人は保険会社を通す方向で行こうと思っていた。
『あの・・・、この車の所有者は、僕らの部の寮の管理人さんで、後ろのキャリアは大学の所有物なんです。』
多分、警察に言われた事をその管理人さんに携帯電話で伝えていたのだろう。
どうやら、彼らは大学のボート部員かなんかで、この先に寮があり、そこに帰ろうと柵を外して、車を中に入れていたみたい。
『で、管理人さんが、懇意にしている整備会社があって、そちらで修理を依頼し、修理はコチラ側で全額負担、という形では駄目ですか?』
『俺は、保険会社と通して、修理費用を請求する形を取りたいんですよね。』
と同居人が切り返した所で、電話で直接、管理人さんと話して欲しい、と携帯を渡される。
長々・・・
長々長々・・・
長々長々長々・・・
『俺の方の保険会社に連絡をして、状況を説明しますので、保険会社と直接交渉して下さい。』
と同居人が話を切り上げ、携帯電話を返して、管理人さんと話した結果を簡単に彼らに説明し、
『じゃ、そういう事で。』
と互いの連絡先の交換も済み、ぶらぶら状態のウィンカーはガムテープで一時的に補強して、帰路に着く。
現時点で既に、20時。。。
テンション下がった感じで、行きに使った橋とは別の、もう一つの川超えの橋を帰路に使う為、河川敷沿いをその橋に向けてバイクを走らせる。
渡る橋が近づく河川敷沿い、競艇場付近に差し掛かった時、土手沿いの路肩で動物が倒れている姿を見つける。
その場でUターンして貰うなり、停車してもらうなりして貰おう思ったが、バイク走行中は会話が出来ない。
信号停止時に話しかけようとするが、直ぐに青に変わってしまって、伝えきれない。
(第三の出来事発生。)
一旦帰宅し、思わぬトラブルで大幅に帰宅時間が遅くなり、お腹を空かせているだろうと思っていたが、良い子に寝て待っていてくれたみたいで、寝起き状態の息子らがお出迎えしてくれる。
『ごめんね〜。お腹空いたよね。ご飯直ぐ用意するからね。』
と話しかけながら、ストック調理分を冷蔵庫から出し、ティファール鍋で火を通し直し、きゅうりを摩り下ろして、猫缶とサプリと混ぜ合わせる。
息子らにご飯を出して、買出し品を仕舞って、ひと段楽した頃合に、
『帰り道の河川敷沿いの路肩に、犬か猫か判らないけど、車に撥ねられたか、倒れている動物がいたの。』
運転中、進行方向しか見ていない同居人はもちろん、気づいていなかった。
『死んでいるか、まだ助かるのか、本当に動物なのかは判らないけど、様子を見に行きたい。もう一度戻ってくれ。』
と頼む。
『でも、死体処理の場合は、どこに連絡すれば良いか判らない。役所関係だとは思うんだけど。。。』
と言うと、同居人がPCを立ち上げて、検索をかける。
私達の部屋がある区の連絡先と、発見場所が川向こうで隣の県に入ってしまうので、そちら側の連絡先を検索したものをプリントアウト。
時間は気がつけば、21時過ぎ頃。
段ボール箱と、手拭いの大きさのタオルをタンスから1枚持って、バイクでもう一度、河川敷に向かった道順から帰り道に使った道順でバイクを走らせる。
『本当に事故にあった動物だったら、その場で隣の県の市役所の方に電話してみる。時間的に電話が繋がらなかったら、何とかダンボール抱えて帰って来て、明日の朝、区役所に連絡する。』
見かけた付近に近づく度、河川敷沿いの路肩に注意しながら、途中で走行速度を落として貰いつつ、現場に近づく。
『ココでしょ?』
今度は同居人が先に見つけて、バイクを路肩に停める。
その直線上には、先程見かけた倒れた動物が、そのままいた。
長毛、とまではいかない位だけど、毛足が長そうで、茶色でボサボサした感じの毛並み。
猫にしては、大分大きな体系になる。
小型犬か、それ位の大きさ。
こちらからは、犬か猫か判断出来ないから、抱えて持って来たダンボールを持ったまま、近づく。
うつ伏せに倒れた状態で、顔は車線側を向いている。
『車に、頭を撥ねられてる。』
血痕が頭付近にしかなく、体は綺麗だから咄嗟にそう確信した。
横を向いた顔を覗き込む。。。
『・・・狸???』
バイクの側に立ったままの同居人を呼んで、確認してもらう。
『狸・・・、だよねぇ?この辺に野生の狸なんて生息しているのか?』
『野生かもしれないし、飼われていた狸が捨てられて、この辺に巣食っているとか。。。』
そんな話をしていると、建物がある車道の方から、スーツ姿の男性が駆け寄って私達に近づいて来る。
(多分、同年代位かな?)
片手には軍手。
『車にあてられちゃった動物ですか?』
『多分・・・。体が綺麗なので、頭から撥ねられちゃったんだと思うんですよ。数十分前に通りかかった時、見かけて、気になったので戻って来たんです。犬か猫か判んなかったんですけど、狸みたいで。。。』
『僕も30分ほど前に通りかかって、気になって戻って来たんです。・・・死んでますか?』
『多分・・・。私が見かけた時と態勢が大きく変わっている様子もないし、今もピクリともしていないので、とりあえず家でこっちの役所の連絡先を控えて来たので、連絡しようかと思います。』
その男性は持参した軍手を右手にはめて、横たわった狸の体を確かめる様に触る。
『・・・まだ硬直してないですね。本当に、ついさっき撥ねられちゃったんだなぁ。』
『僕、獣医学部で生態系の勉強をしていたんですよ。狸は扱った事ないんですけど、住まいがこの辺なので、時折、ここら辺で土手から出て来る所を見かけてたんです。』
と、土手に視線を向けるので、土手を背にしていた私は振り返ると、フェンスの一部に、狸が通り抜けるのにちょうど良い大きさの穴が開いていた。
『ココから飛び出しちゃったんだ。。。』
本当に動物が事故死していたショックと、しかもその動物が『狸』だという事で、かなり混乱しつつも、ハッ!と思い出した様に、慌てて市役所の連絡先の紙を開き、携帯で電話番号を打ち込む。
・・・情けない事に、足はガクガク、指も震えていつも通りにダイヤルプッシュが出来ない。
この男性が話しかけて来なければ、泣いていたと思う。
22時直前だというのに、役所への電話は繋がった。
状況説明と、現場説明をして。
『環境課の方へ繋いで、折り返しますね。』
と言われ、一旦電話を切る。
『一応、段ボールとタオルを家から持って来たので、このまま路肩に置いておくのも危ないから、歩道に移動した方が良いよね。バイクの右の鞄にタオル突っ込んで来たから、持って来て。』
と同居人にお願いする。
私がタオルで段ボールに移そうとすると、男性も軍手をはめ直し、
『頭側が撥ねられているから、こちら側は見ない方が良いですよ。下半身の方を持って下さい。』
と言って下さったので、2人で段ボール箱に移す。
・・・本当に、まだ硬くなってなくって、体温も感じる。
温かいよ、柔らかいよ。。。
道路を挟んだ歩道の上に、段ボール箱に移した狸を置く。
携帯電話が着信する。
出ると、環境課の担当の人。
『今から現場に向かいますので、詳しい場所を教えて下さい。』
『T橋からS橋に向かう土手沿いの道で、競艇場の近くです。目の前に、紅いレンガつくりの円形の建物があります。その歩道に、段ボールを足元に置いて、立ってます。』
『解りました。15分程度で着くかと思います。』
電話の内容を伝えると、手伝ってくれた男性が、
『もう少しこの場に残れますか?』
『ああ、環境課の方ももう来られるみたいなので、最後までいますよ。』
『そうですか、じゃあ、僕はここで帰らせてもらいますね。』
と言うので、この男性とはここでお別れしました。
環境課の人が着くまで、同居人と寒さに凍えながら、ポツポツ話し始める。
『こんな所に狸がいるとは思わなかったよ。』
『さっきの人が言っていたけど、A寄りの方に巣食っているみたいだよ。』
『え〜〜〜!私、Aの地元民なのに、そんな話は全然知らんよー。』
待っているだけの時間は長い。
寒さもかなり厳しくなって来た。
22時15分頃。
提示した時間内に、役所の車が到着した。
荷台付のトラックみたいな車に、3人乗車していた。
3人とも下りて来て、足元に置いた段ボール箱の中を確認しながら、発見時の話と、外傷具合と現場位置に残った血痕と、フェンスの穴の事をもう一度口頭で伝えた。
環境課の人が段ボール箱を蓋し、荷台の方に置くと、私達に一礼をして車に乗り込んで行った。
私も、段ボール箱を渡す時、
『宜しくお願いします。ご苦労様でした。ありがとうございます。』
と口をついて出た。
歩道上に移動させておいたバイクに近づきながら、市役所方面に車を走らせるのを見送りながら、また、泣きそうになった。
でも、今泣いたら止まらなくなるだけなので、堪えて、同居人とバイクで帰路に向かった。
途中、近所のうどん屋さんで晩ご飯を済ませ、家に帰って来れたのは23時半が近づいていた。。。
その後、その狸の処置がどうなったのか気になったので、今日また市役所の方へ電話してみた。
『犬や猫の死体を回収した時と同様の処置を行いましたので、合同焼却場にて、処分しました。』
上手く言えないけど、何だか切なく哀しい気持ちが胸に広がりっぱなしです。
横を向いて倒れた狸の顔が、思い出す度にチラつき、泣きたくなる。
路肩に寄っていたから、数度轢かれてしまう事もなく、体が綺麗なままだったのは救いだった?
頭から撥ねられたのが致命傷だから、苦しむ時間は少なかったのだろうか?
車に撥ねられただろう動物の死体を目の当たりにしたのは2回目(多分)。
中学生の頃、通学路の垣根の下で横たわっている白猫を見かけた事がある。
その子もパッと見、外傷もなく綺麗だったけど、頭部付近に血痕があったのを覚えている。
『どうしよう。どうしよう。』
と思いつつも、何もせずに見過ごして通り過ぎていった記憶が鮮明に思い出された。
今回、こうして自分で動いて役所にお願いしたのは初めてです。
もしかしたら、過去の記憶の件もあって、ここまで動けたのかもしれない。
私信:ニシジマさんへ。
変な電話を寝際の時間帯にして、本当にごめんなさい。m(_ _)m
暗い話題なので、せめてもの『癒し写真画像』をペタリ。
2005年10月15日撮影。