事の始まりは一週間ぐらい前のこと。みーちゃんが吐いたりするようになったので、獣医さんに診て貰った。するとみーちゃんは猫エイズに感染していることが判明、虫が原因で一時かなりやばい状態だったが注射や点滴などをうけて危ない状態を脱する。しかし、今度はおかしな徘徊行動が始まった。
昼夜問わず盛りのついた時の声でなきながら、部屋の中をぐるぐると歩き回る。時々部屋の隅に座っている事があるけれど、目はまんまる。昼なのに夜とおんなじ目。ほとんど眠っていない。
飼い主を飼い主として認識していない。目の前に立っていても、ただ柱があるかのように素通りしていく。抱き上げてもごろごろ喉を鳴らして喜ぶ様子も無い。それこそ病院通いしていた数日前、近付けばすりよって甘えてくるような事はあったのに、今はそれも全くなし。危機を脱したというのに、今度はこんな状態に陥るなんて…。
突然立ち上がってがりがりと壁をひっかく。今までこんなことしたこと無かった。そのまま手前に倒れてきて、ずるずると落ちる。何度も繰り返してやっている。
目の前にある棚を強引によじ登る。元気な頃ならぴょんっとジャンプするだけでよじ登れる高さ。それを前足かけて、強引に後ろ足をかいてよじ登る。戸棚の脇はそれでひっかき傷だらけ。
ちょっとでも目を離すと戸棚の柵にひっかかって、頭と腕が別方向に出て身動きが取れなくなっている。猫は体が柔らかいとはいっても、後戻りができない生き物。誰もいない時に変な状態でひっかかって動けなくなったらどうしようかと思う。