一つを除き、全く問題ありませんでした。
人となりは猫をかうべくしてあるような御一家で、猫に対する愛情いっぱいでした。
お家も猫を飼うことを考えて、猫の為に購入したものでした。
広いサンルームがあり、窓を開けても大丈夫なように考えてありました。
柔道をしていたという大柄な長男(仕事で留守)と、やっぱり大柄な次男がいらっしゃいました。旦那さんも奥さんも次男さんもみんな大柄なのに、歩き方からドアの開け閉め、しゃべり方まで、猫がびっくりするような要素はひとつもなく、もう猫を飼うことが身についていて、慣れていらっしゃいました。
黒ちゃんを手に持って、口々に「重〜い」「大きいね」「ずっしり」って、意外な言葉を言いました。
私は「ガリガリに痩せてたんですよ?まだ小さいから早く大きくなって欲しいですけど・・・?」
「うんうん、でも大きいね〜このお腹には何が詰っているのかな〜」って、みんななんだかとても嬉しそうに手に重さを感じているようでした。
とても嬉しそうに楽しく話していらっしゃいましたが、今思い出すと、ポロっとくるような感覚です。
話を聞くと、前の子ロビンちゃんは最高でも腹水込みでも2キロまでしか育たなかったそうです。
最後は1キロまで減ったそうです。黒ちゃんが今1キロです。
用意されていたトイレに黒ちゃんの使っていたトイレ砂を加えて、黒ちゃんをトイレに置いたら、おしっこしました。おしっこしたね〜ってみんな喜んでいました。
砂をかける仕草を見て、次男さんが「なんかいいね、やっぱ、猫おるといいね〜」って笑っていました。
奥さんと私達がお話している間、旦那さんと次男さんは、ずっと黒ちゃんと遊んでいました。
黒ちゃんは、初めてのねこじゃらしに興味はあるけど、怖くて、物陰に隠れては時々出て来て、動かなくなったねこじゃらしにタッチしてまた隠れて、とまだまだねこじゃらし入門編でした。
「ブラシ好きかな?今から慣らしておけば好きになるかな?」って腕の中で眠そうになった黒ちゃんにブラッシングしてました。
黒ちゃんはもちろん初めてのブラッシングでしたが、なでられる時と同じようにうっとりしていました。
奥さんは「私がアレルギー持ちだからって、みんなして、ああしてブラッシングするから、ブラシ好きな子だといいな」って。
闘病記録は想像以上のものでした。
「だんだん訳分からなくなってノートにまとめるようになりました」って、やはりとても明るくお話になるのですが、ノートの内容はとても大変なものでした。
月1回の血液検査の結果など、詳しく記録が残してありました。
輸血も2回しており、「3回目はもう出来なかったんです」って。
腎不全治療に関しては、私の知る限りのことは全て経験されておりました。
最後は、注射器で強制給仕、自宅での皮下輸液をしていました。
ロビンちゃんの写真が写真立てに入ってました。
てっきり黒ちゃんとそっくりで、面影があるのかと思ったら、長毛の黒猫さんで丸顔でふわふわしてて、黒ちゃんとは全然似てませんでした・・・!
ペットショップの里親募集でもらった子だったそうです。
問題が一つ、避妊手術をしないでおこうと思っていらっしゃること。
「健康状態に特に問題がなかったら、してもいいかもしれないけど、発情がしんどそうではなかったら出来ればそのままにしておきたい」っておっしゃるのです。
「半年から1年までにするのがいいですよね」って、よく分かってらっしゃるのです。
「前の子は結局避妊手術もできなかったけど」と。
こういう心境になるのって、つらい闘病生活を経験されたからなのでしょうか?
それで雌を希望されたのですね。
黒ちゃんは雌ですが、もし雄だった場合は、と考えて
それで、雄猫のスプレーを気にしていらっしゃった訳ですね。
私はまだ答えが出ません。
晩に連絡があり、名前は【ビビちゃん】に決定したそうです。
ご飯も食べ、部屋にもだいぶなれてきましたが、まだ物音にビックリしてはソファーの下に逃げこんでいます。
抱っこはすきで、抱いてやるとグルグルいっています。
とのことで、ひとまずは安心しました。