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前回の個展ではミュシャの絵は描かなかったんですが、 今回は4枚出品予定です。何でだと思います?
えーと、ここには著作権の問題が出てくるからです。
まあ、芸術関係ですとパロディについては割と鷹揚なのですが、 ワタクシは元図書館員ですから、著作権絡みは神経質なもので、 念のため著作権が切れてからのパロディ化を心がけてる訳です。
さて、ちょっと小難しい解説ですが、 なぜ、今回ミュシャの絵を出品するかを説明します。
まず、アルフォンス・ミュシャ(1860年7月24日 - 1939年7月14日)は 国籍のチェコの著作権法が適用されます。
チェコは著作権の保護に関するベルヌ条約の締約国です。 ベルヌ条約によれば死後50年で、著作権は消失しますが、 同時にEU規則(欧州連合域内における著作権保護期間の調和に関する指令) にも従っています。
この指令によるとEU域内での著作権者の権利期間は ベルヌ条約の死後50年より長い死後70年になっています。 この指令には遡及規定があって、すでにベルヌ条約で規定された 著作権の期間を過ぎて著作権が消滅しても、 新たに著作権が延長されます。 厳密には、この条項は1995年7月1日の時点で少なくとも1つの加盟国で 保護された作品に対して適用されます。
さて、国際条約は内国民待遇を原則としていますが、 保護期間については、相互主義が認められています。 例えば、ある国が死後70年まで保護している場合、 日本は死後50年までしか保護していませんので、 当該国では、日本の著作物を死後50年まで保護すれば よいということです。 これは、著作物等の本国で権利が消滅しているにもかかわらず、 条約国では権利が存在するという弊害を避けるための措置です。 逆に日本では50年の保護ですが、チェコの70年が適用される訳です。
つまり
遡及規定及び日本国の著作権法を適用すれば、 ミュシャの絵画の著作権が無くなるのは、 死後70年の2009年7月14日以降になるわけです。
と言う訳で、次の個展にはミュシャの絵のパロディを出せるかなと。
ただし!
ミュシャの絵ついては、ミュシャ財団が商標登録してますので、 著作権が切れたからといって勝手に商品化することは出来ないので、 気をつけてくださいね!
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