リアルタイムで、この男の抱える 虚しさや疲労感が
いまの自分に おそろしいほど似ていて、いろんな意味で 重かった。
音楽プロモーターの男が、仕事も 家族も投げ出して 閉じこもり
15枚のCDだけが残ったという始まり。
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、 ドアーズ、
ローリング・ストーンズ、 ビートルズ……
「ストレンジ・デイズ」は ドアーズの2ndアルバムのタイトル。
邦題は 「まぼろしの世界」。
だからといって 幻想や空想を描きだした ロマンチックな物語ではない。
汚らしく存在する裏社会。
自分は一体何をやってるんだろう? という感覚。
フツーじゃない精神状態。 苦悩する瞬間の描写。
絶望の底から這い上がって 何かの結論を導く 最後のくだり。
この時間、この状況での この本との遭遇は 必然か偶然か。
才能について。
言葉について。
考えた。