群れで暮らす動物と単独行動で気ままに生活する動物、
犬と猫を扱う様になって、飼育の難しさを痛感しているのは猫である。
特にこのシーズンは仔猫を多頭受入する為、病気の感染が大きな問題となる。
猫の場合、基本的には群れない分菌(ウィルス)が強く、
仔猫にとっては命取りになるケースも多く、
早期発見・早期治療が重要になる為、気が抜けない日々となる。
今日もボラバイトさんから4日前に帰って来た、
グレーミケちゃんに手を焼いていた。
ミルクも飲まない・餌も食べない・寝ているばかりで体重が増えない…
お尻を刺激すると消化不良の水便をする。
補液をし、下痢止めを飲ませ、少量を何度かに分けてミルクを飲ませる作業の繰り返し。
一日二日と開放に向かう気配がないと心配にもなる。
しかし根気強く続ける事が何よりの治療と飼育であり、
段々水便の量も少なくなり、体重も5グラムとか少しずつではあるが増えて来た。
そして四日目の朝、飼育棟に行ってみると、
グレーミケちゃんが同室の仔猫とじゃれていた。
急いで餌をあげるとすぐに食べ始まり、ミルクも飲んだ。
…やれやれ…と言った感じだった。
一度快方に向かうとこれが又早い快復力でぐんぐん体重を増やす。
一日に40グラムも大きくなり、体もしっかりして来て、
同じ部屋の仔猫達と遊んでいる。
グレーミケちゃんは何とか救える事が出来て、ほっとしている。
こう言うケースは嬉しい例ではあるが、
病気で体力を落とすと免疫力が弱くなり、
鼻炎や皮膚病など多頭飼育故に次の病気に感染してしまう事も多い。
多重感染で猫の病気を一通り経験して途中で死に至るケースもある。
何重にも予防や隔離に気を遣っても、
人間(スタッフや里親希望の方)が病気を媒介する事も少なくない。
日々里親さんに譲渡をしなければ、飼育棟が満杯になり、
次の仔猫を受入出来なくなってしまう。
消毒や手洗いを充分気を付けてはいるものの、
やはり”可愛い〜!”と仔猫に手を伸ばしてしまうのは、
里親さんもスタッフも同じで、大変難しい。
健康でしっかりとした仔猫を貰って貰う為、
日々の戦いは今日も続く…