私は犬派でした。
猫は自分勝手だし、ぐにゃっとした体が気持ち悪く、
目も爪も怖かったのです。
18年前、段ボールが積み上げられたブルーシートの下で、
仔猫の鳴き声がしました。
どこにいるのか外からは分からず、
従業員の人達でブルーシートの段ボールの山を上から崩す事になりました。
最後の一段の隙間から出て来たのがツウニーでした。
ネズミの大きさ位の真っ黒な猫で、
母猫が移動の時下に落としてしまい、
連れて行く事が出来なかったのでしょう。
急いでタオルに包み、猫用ミルクを買い、
どうするか初めてで分かりませんでしたが、
とにかくスポイトでミルクを飲ませました。
どの位飲んだか分かりませんが、助からないだろうと思っていましたが、
丁度家にあったケージに入れ、段ボールのベッドに暖かくして入れました。
ジーっと私の目を見て何かを言っているみたいで、
一晩一緒にいました。
朝方「ミュー」と言う鳴き声に気付いたら、
私にミャーミャーと鳴きます。
とにかくミルクをあげました。
おしっこやウンチを出させるなんて知りませんでしたし、
何も分かりませんでしたが、日々元気になり、
餌も食べてくれ、すっかり私は母猫になっていました。
元々生命力がある子だったのでしょう。
病気もせず、すくすく大きくなり、私も猫の勉強をし、
無事成猫になってくれました。
初体験だったので、この子がメス猫だと思っていたので、
「ツウニー」(バージンと言う意味です)と言う女の子の名前にしましたが、
実は男の子でした(苦笑)
でもツウちゃんと言う愛称で今まで通して来ました。
18年間で病院に行ったのはたったの2回だけでした。
去勢手術とノミ駆除だけで、本当に手のかからない親孝行なツウニーも、
3月頃から具合が悪くなり、今は骨と皮になってしまい、
満足に動けなくなりましたが、トイレだけは頑張るので、
それは本能と言ってもつい手を貸してしまいます。
いよいよ最終ステージを迎えようとしているツウニーを見ていると、
エピソードの多かった思い出が昨日の様に蘇ります。
何て素敵な猫だっただろうか…
言葉を持った人間の様な、私にとって支えだった事も、改めて感じるのです。
猫と言っても気持ちを伝えたり、伝えられたり、
本当にツウニーに会えたお陰で、今私はシェルター70匹の猫のお母さんです。
猫は可愛いと思う事は当然ながら、今私は根からの猫派です。
勿論犬も大好きですが、猫の賢さは猫を知らなかったら一生理解出来なかったかと思うのです。
あとどの位生きられるか分かりませんが、
最後の時間を出来るだけ共有して語り合いながら送ってあげたいと思っています。