「闇の底」 薬丸 岳著
「天使のナイフ」を書いた著者。
今回は幼い子供が被害者になる事件が発生すると
その見せしめとして、
過去に子供を襲った前歴のある犯罪者を処刑するという
リアル「デスノート」のような設定です。
犯人は自らを16世紀のヨーロッパの死刑執行人
「サンソン」と名乗り犯行声明分とともに処刑を続けていきま
す。
しかし人ひとりで犯罪者を処刑にするには
非常に大きなリスクが伴います。
サンソンが証拠を残さぬよう殺人を重ねていく様は
周到で不気味です。
犯人や被害者、犯人を追う刑事達登場人物は
それぞれに過去を秘めていて
物語の中盤から相関図が浮かび上がってきて、犯人像が浮かび上がってきます。
ラストは衝撃的といっていいでしょう。
「やっぱりな」と思う人もあれば、
腑に落ちない人もいるかと思います。
犯罪過多の現代社会に、ひとつの問題提起をするお話です。