猫がどういう理由で鳴くのかなんて私にはさっぱり判らないと思っていたが、一つだけわかるのがある。

それは、げえっーと吐く前兆の鳴き声である。

なんとも物悲しげに、犬の遠吠えのように鳴くのである。

最近では、その鳴き声を聞くと咄嗟にティッシュを持っていき、吐く場所に敷いている。

しかし、あとはいくらうるさくても、理由がほとんどわからない。ご飯が無くなれば鳴くし、あげても食べ終われば何が不満なのかまた鳴くし・・・。

なんとも全く困ったものである。もっとも当の本人、いや猫は困っていないのだろうが。

我が家には猫がいる。年齢は20歳である。名前はちいという。本当かどうか知らないが、妻が言うには、猫の20歳は人間で言えば90歳くらいらしい。

本を読んでも、猫の長寿の記録は25歳らしいと書いてあるのもあれば、猫も人間同様長生きするようになってきてて、20歳くらいまで生きる猫はざらにいるらしいと書いてある本もある。たぶん猫の高齢化は現在進行形なので、誰にも正確なことはわからないのだろう。

20歳といっても、家の猫も元気でうるさくてしょうがないくらいである。

ただし、猫も人間と同じで、高齢になればそれなりに衰えてくる。家の猫もたぶん少し認知症のようだ。

医者に見てもらったわけではないから、ある意味我々夫婦が思っているだけで適当だが、誰もいない壁などを見て叫んでいるし、徘徊のように家の中をワァーワァー言いながら歩き回っているし、どう考えても特養にいる高齢者の方と印象がダブる。

それでも、子供がいない我が夫婦にとっては、かわいい家族なので、近所迷惑なのを気にしつつ、我々も猫に対して近所迷惑になるほど大きい声で怒鳴らないようにしている今日この頃なのだった。