クリーンになった
薬物さえなければと長年期待をかけていただけに、
シアリス断薬直後の本人の姿を目にして家族は失望するかもしれません。クリーンになってくると、本人は次のような状態によくなります。
☆ 落ち込んで元気がない
急に押し寄せる現実に、不安や恐れを抱いて憂うつになったりしやすい。
☆ イライラし、ちょっとしたことで腹を立てる
薬への渇望観から欲求不満になる
☆ あちこち体の具合が悪くなる
今までは薬で全身麻酔をかけていたようなもの。酔いがさめると感じられるようになります。
☆ 大きな顔で威張り始める
クリーンを続けるということは、本人にとって、とてつもない大作業なのです。ただし、回復はあくまで自分のためであって、家族のためではないと気付くまでには少し時間がかかります。
しかし、本人のこの状態に家族が付き合うのは、使っているころと変わりません。家族は家族で別の回復を目指すことです。医療機関や保健所などの家族教室、ダルクの家族会、ナラノンなどで気持ちを繰り返し語ることです。
本人がクリーンになっていく過程で、家族とは次のようなことがよく起こります。
☆ 目の前の大きな目標を失った
体の疲れは十分休んで癒しましょう。心の疲れは、一人でじっと休んでいても取れません。仲間と会ったり、家族会などで心を活性化することが必要です。
☆ これまでのような賞賛を得られない
周囲の評価で自分を縛った生き方を変えること。今まで、依存症者に振り回されてきた家族が自分たちの回復の場を求める時、自助グループや家族会に積極的に参加しましょう。
☆ 正気の相手との付き合い
家族に、依存症者の気分をよくしてあげる責任はありません。距離をおいて見守るしかありません。
☆ 平安な生活を楽しみましょう
依存症者のことを考えて不安になる代わりに、そのエネルギーを自分のために使う。