朝、出かける支度をしていると、弟から電話。
だいたい弟からの電話はいい話ってことはないんだ…
「ナナが死んだよ」と。
どちらかというと猫嫌いだった父が、闘病中に家に貰われてきたナナを、
晩年とても可愛がっていたものだ。
肺の病気で胸が苦しいのに、毎晩胸の上にナナを乗せて寝ていたっけ。
父が亡くなった後は、どんなにか母の慰めの存在になっていたかと思う。
母が亡くなり、私たちが駆けつけるまで
ナナはお母さんに寄り添っていてくれたんだよね…
弟と暮らし始めて、一ヶ月間迷子になっていたこともあった。
ひょっこり帰ってきたと連絡があったときは、ほんとうにうれしかった。
いろいろないきさつを思い出すにつけ、ナナが死んだと聞かされて、
「よくがんばったね、えらかったね。お父さんととお母さんにまた会えるね」
すごく悲しいけど、穏やかな気持ちで送ってあげようと思った。
ナナさよなら。私たちに幸せをありがとう。
天国で幸せに暮らしてね