ちっちゃいちっちゃい時のけだもの君です
生後一ヶ月ちょっとで我が家の長男になりました。
けだもの君と言う名前は猫じゃらしに闘争本能むき出しで
本気で飛びついていく姿から
「ちっちゃくてもけだものだよね〜」
と言う事で決定。(いいのか・・・、本当にそれでいいのか。)
貰ってきてたった一匹の可愛い子猫。夫婦で溺愛しすぎたのか、二ヶ月を過ぎたことから噛み付き猫になりました。自分が遊んで欲しい時には人に対して血が出るほど噛み付くようになったのです。それも昼夜問わず。
親や兄弟と過ごす期間が短すぎて我侭放題に育ってしまったのです。
主人も私も噛み付かれたら噛み返したり工夫はしました。でも、やっぱり猫の親にはなりきれないのです。
もう一匹貰って血はつながっていなくても兄弟にしよう。
という事になり、かかりつけの獣医さんに保護した捨て猫の里親を申し出ました。生後一ヶ月くらいのチビ猫が何匹かいると言うことで、早速見学に行きました。病院に行くと、担当の職員さんが、小さな箱にチビ猫を三匹入れて見せてくれました。サバ虎の中毛のふわふわした男の子が二匹と真っ黒な小さい大人しい女の子が入っていました。他の子は私達の顔を見ると、身を乗り出して「抱っこして〜」と言わんばかりにみゃーみゃー鳴きました。真っ黒の女の子はちっとも鳴かず、小さい箱の中でまんまるくなっていました。
尻尾をみると、他の子はまっすぐぴんとしていてカッコいい尻尾なのに、黒い女の子の尻尾はぐるぐると曲がっていて、まるで豚の尻尾みたいでした。
顔もなんだかおへちゃで不細工です。
体も他の子より随分ちっちゃいみたいです。
「どの子にする〜?」
問う私に主人が言いました。
「男の子達は十分可愛いから、他に可愛がってくれる人がいるだろ。この不細工な黒いので。」
「激しく同意。」
・・・・と言うわけで、(どういうわけだか。
職員の人がうすぎたないもーちゃんを洗って乾かして小さい箱に入れてくれました。院長先生が
「黒猫は幸運を運んでくれるんですよ。縁起いいんです。可愛がってね。」
と言ってくれました。
40分くらいの道のりの間、大人しいもーちゃんは一言も鳴きませんでした。
もらってきて一日目のけだもの君と猛獣ちゃん
貰ってきて一日目、けだもの君はもーちゃんを一杯苛めました。体格がいい分、もーちゃんに勝ち目はありません。
見守りが出来ない時は念の為、もーちゃんをケージに隔離していました。
当時体重350g。小柄なもーちゃんですが、しっかり牙は生えていました。けだもの君がちょっかいを出すと、もーちゃんは精一杯抵抗しました。あんまりひどい時はもーちゃんを放置してけだもの君を一杯だっこしました。
もーちゃんはストレスで下痢をしてしまい、けだもの君もまた、ストレスで紙の猫砂を食べてしまいました。
ある日、もーちゃんが下痢をしているので、病院に連れて行こうとしました。
すると、けだもの君がケコケコ始めて嘔吐してしまったんです。
猫は吐くもの、とはいいますが、出てきた物は胃液だけ。
一度病院に連れていったのですが、様子を見ていいと言われました。
ところがその夜、胃液だけの嘔吐が三回あり、食事をまったく食べようとせず、
変な声でオゥオゥ鳴くようになりました。トイレを見るとけだもの君のうんちが全くありません。お腹を見るとぽんぽこちんです。
「うわ、イレウスだ・・・。」
一応、人間の看護婦の私です。嘔吐+食欲不振+腹満=腸閉塞・・・・・
夜の10時を回っていましたが、車を走らせて夜間救急をやっている本院まで行きました。先生にけだもの君を預けて、待つこと30分。一通りの検査が終わりました。やはりイレウスの一歩手前でした。猫砂を食べてしまい、吸水性の良い猫砂がお腹の中で膨れてしまい、腸が詰ってガスが溜まっていました。
イレウスを起こすと人間の大人でさえ、数時間で急変します。
ちっちゃい腕に点滴の針を刺され、大人しくなってしまったけだもの君を置いて、空っぽのケージだけを車に積んで家に戻りました。
三日間の入院で猫砂が排泄され、幸い、手術をせずに退院することが出来ました。それ以来、けだもの君は胃腸の弱い猫さんになってしまいました。
最初は喧嘩ばかりしていた二匹ですが、今では本当の兄弟みたいに仲良しです。二匹、三匹はお世話が大変ですが、それ以上に楽しい事もうれしい事も一杯だと信じています。
今日は長文ですみませんでした。最後まで読んでくださった方、有難うございました。