トマシーナとイサナはちょっと病気である。
病名は
ナナさんわずらい・・・・。
寝ても覚めてもナナさんのことを思ってしまう。
ナナさんは私たちにとってちょっと特別な子になった。
手放した子は手元に置いている子とは異なる感情を呼び起こすものらしい。
このナナさんわずらいの薬は、やっぱり時間なんでしょうね。
新しいおうちで、ナナさんの写真を何枚か撮影した。
私の心を締め付けるのは、この3枚の写真。
ナナさんが私たちを追いかけないように、さりげなくケージに入れて、
(ナナさんパパとママは、ナナさんのためにケージを用意してくれていた)
そしてナナさんにさようならをした。
ナナさんはケージに入れられた時、不思議そうな顔をした。
一緒に写っているクッションとフードボウルは、ナナさんの嫁入り道具。
我が家でナナさんが使用していたもの。出して!と訴えているようだった・・・・これが最後に撮った写真。
涙が出そうになったので、急いで失礼した。 ナナさんは自分が置いていかれると思っていなかった。
私たちをうらんだかもしれない。
ナナさんの幸せは約束されているけれど、
でも最後に見たナナさんの悲しげな表情が、私の胸を締め付ける。
理屈ではないから、湧き起こってくる感情は、始末が悪い。