〜猫と暮らすゆったりずむな生活〜

September, 2010
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トマ

キジブチの3歳になる女の子。やんちゃで甘えん坊なお転婆娘。

チョロ

キジトラの11歳になる女の子。妹分のポンが他界し、少し老け込んだ感あり。でもトマへの教育的指導は忘れないトマシーナ家の女ボス。

ポン

一昨年他界したトマシーナ家のアイドル猫。おっとりした愛らしい子でした。

トマシーナ

愛知県在住。父母と猫2匹と同居中。猫と山を愛する変わり者。

マリ

8年前に14歳で虹の橋を渡ったマリ。時々ブログに彼(そう男の子です!)の思い出を書きます。アルバムも作成予定です。

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ギャオちゃんのこと
昔、私は7匹の仔猫を間接的に死なせた。
その時の後悔が、猫への強い思いとなった。


 このブログを始めた時から、私はこの話を書きたいと思ってきた。
ようやく書ける時が来たような気がする。
 
 私の住むマンションに、あの子が現れたのはいつのことだったろうか?
彼女はとても魅力的な子だったけれど、天は二物を与えなかった。
彼女の声はお世辞にも可愛らしいとは言えなかった。
いつも『ギャオ〜ギャオ〜』と鳴いていたので、マンションの住人はいつしか彼女のことを、
『ギャオ』と呼ぶようになった。

 ギャオは捨て猫だった。
おそらく大きくなったあの子を、飼い主が持て余したのだろう。
私の住むマンションにあの子を捨てていったのだ。

 そして彼女はマンションで仔猫を産んだ。
1年目に出産したのは2匹の仔猫、この子たちは無事成長し、そしていつの間にか姿を消した。
2年目に出産したのは7匹の仔猫だった。
そしてこの仔猫たちを死なせたのは私である。

 マンションを取り巻く環境は変化していた。
当時の管理人は猫が大嫌いで、可愛いギャオを目の敵にしていた。
『保健所に連れて行く』と言っていると噂に聞いた。
私はどうしてもギャオを助けたかった。
管理人だけでなく、マンションの住人の一部も、ギャオを快く思ってはいなかった。

 7匹の仔猫の存在は許されないと思った。
私たち家族は話し合い、7匹の仔猫を保健所に持ち込むことにした。
そしてギャオには、避妊手術を施すことにした。
これ以上猫が増えなければ、ギャオの存在を許してもらえると考えたのだ。

 私たちを信頼していたギャオは、仔猫を私たちに預けていた。
彼女がテリトリーを巡回している隙に、私は7匹の仔猫たちをダンボールに詰めて運んだ。
閉じ込められた仔猫たちは、私に必死の抗議をしていた。
その声を聞きながら、私は心の中で『ごめんね、ごめんね』と叫んでいた。
保健所まで私は泣きながら歩いた。

 保健所で事務手続きをする間も、ずっと泣いていた。
帰宅してからもずっと泣き続けた。
私を心配した父が、会社を抜け出して慰めにきてくれた。
この精神的苦痛で、私は一気に3キロ以上痩せた。
でも仔猫たちのその後の苦しみを思えば、私の苦しみなど取るに足らない。

 そんな私を更に苦しめたのは、ギャオがそれから行方知れずになったこと。
ギャオは仔猫がいなくなったその日以降、私たちの前から姿を消したのだ。
信頼を裏切った私たちを信じられなくなったのか?
或いは仔猫たちを探しているのか?
いずれにしろギャオの不在は、私を更に苦しめた。

 しばらくして私は事の真相を知った。
私が仔猫を泣く泣く保健所に連れて行ったその日、正にその同じ日に、
ギャオも保健所へと連れて行かれたのだった。
連れて行ったのはマンションの管理人だったらしい。

 ギャオを助けたい一心だったのに、そのギャオまで保健所に連れて行かれた。
私のした事は、一体何だったのだろう?
哀れな7匹の仔猫たちを、私は間接的に殺した。今から20年前のことである。



この記事への返信
なんということ・・・・・

悲しすぎるね。

これからは可哀相なねこ達を助けてあげようね。

少しでもトマシーナさんの力になれますように。


Posted by ドリアンぶたまる | 01:08:37, Jun 13, 2008
☆ドリアンぶたまるさんへ☆
大昔の心の傷です。
この事があったから、今の私があると思っています。
薄っぺらな気持ちで、猫たちに向き合っているわけではないのです。
自分に出来ることと、出来ないことを分かった上で、自分に相応しいやり方で、活動を行いたいと常に考えています。
それがあの子たちに対する私の責任の取り方です。
私を責める人もいるだろうと思いながら、この記事を書きました。
Posted by トマシーナ | 12:50:28, Jun 13, 2008
そんな過去があったんですか。
それをここに、こうやって書いたトマシーナさんの勇気。
ふつうは絶対に封印していたい過去ですよね。
ギャオちゃんと、子猫たち。
その魂が、今トマちゃんやキョロちゃん
そして、トマシーナさんが携わるすべての猫ちゃんたちにあるのではないでしょうか。
Posted by まきっころ | 16:49:02, Jun 13, 2008
はじめまして。

悲しい古傷ですね・・・

この先 癒える事は無い古傷を抱えての覚悟・・・

うん。心に響きました。

Posted by にゃんこ先生 | 20:21:35, Jun 13, 2008
そうだったのか〜誰にでもどうしようもにゃかったことがあるにゃ・・・ねこにゃんは高校生のころ飼っていた白猫ちゃんがもらったときからくる病で足が湾曲していてその子が生後1年くらいで不治の病にかかってしまい苦しむのがつらくて安楽死を獣医さんにお願いしてしまったことがあったにゃ〜お庭にお墓を作ってずっとお線香をあげたりしたけど今でも忘れられにゃい悲しい思い出だにゃん(;;)

Posted by ねこにゃん | 20:56:34, Jun 13, 2008
私が猫を家族に迎える数年前に、ウチの前でひき逃げされて亡くなった猫ちゃんがいました。
夫が絶命したその子を道路わきに寄せて、それ以上轢かれないようにし「清掃局へ電話して」と言って出勤・・・・。私は事故にあってしまった猫ちゃんを見ることはできませんでした。
気持ち悪かったのです。
ただ、言われたとおり電話して火葬場へ引き取ってもらいました。
なんて冷たい仕打ちでしょう。
気の毒なそのこに花の一本もあげることもせず・・・・。

このことは後々、私を苦しめます。
みゃあちんと暮らしてから、考え方が変わり動物に優しくなって・・・・自分の情けのない仕打ちが悔やまれてなりません。
今の私なら、こんな事はしなかった!
抱いて、ご飯やお花や供物などあげたり・・・供養をしたりするでしょう。
あのときのことが私を変えたと思います。
トマシーナさんの過去も私の過去も、きっとムダにはならないのです。いえ、無駄にしてはいけないんですもの。
でも思い出すのがつらいことですよね。
とても、つらいんです。
今だって辛い。
思い出して、後悔をしないときはありません。
少しでも乗り越えて、前進したいです。
いつも、あの子にはすまなかったという気持ちは変わらないでしょうけど。
Posted by すみれいろ | 23:33:05, Jun 14, 2008
ギャオちゃんの事、教えてくれて有り難うございます。
ギャオちゃんの事があったから、きっと今のトマシーナさんがいるのですね。
私も若い時、無知で子猫を死なせてしまった事があります・・その子の事、いまでも忘れることはありません。
私もその事があってから動物のこと、真剣に考えるようになりました。
傷が癒える事はないかも知れませんが今のトマシーナさんをギャオちゃんはちゃんと見ててくれていると思いますよ。
Posted by とむ | 12:40:06, Jun 15, 2008
☆すみれいろさんへ☆
コメントありがとうございます。
誰でも大なり小なり後悔することってあるんですよね。
インターネットで、行政による処分(この言葉大嫌いです!)が、安楽死でないことを知り、更に深く後悔することになりました。
もしあの時もう少し違った方法を選択していたら・・・・
ちょっと上手く言葉に出来ませんので、また改めてお返事させてください。
すみれいろさんのコメントは、いつも優しくて癒されます。
ありがとう!!
Posted by トマシーナ | 21:18:30, Jun 15, 2008
☆とむさんへ☆
こちらこそコメントいただきありがとうございます。
私の動物好き、特に猫に対する強い思いは、この事があったからかもしれません。
あの時みんな猫の害について声高に言っていましたが、誰も自分が保健所に連れて行こうとはしませんでした。
結局嫌な事は誰もやる気がなく、人任せだったのです。
私たちはそれを引き受けました。
せめて私たちの手で、と思ったのです。
私はこの件で、自己主張だけして自分では何もしない人間を、激しく嫌うようになりました。
今でもそれは変わっていません。

私は自分に出来る範囲で、猫たちのために頑張っていこうと思っています。
これからもよろしくお願いしますね。
Posted by トマシーナ | 21:36:39, Jun 15, 2008


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