皆様こんにちは。トマシーナです。 本日は私の(霊的な)体験談をお話したいと思います。
その体験は今から30年近く前のことになります。 私はまだ宮城県仙台市に住んでいました。 その日はとてもとても寒い日で、家には私と長兄のふたりきりでした。 数日前から両親はほとんど家にいなかったかもしれません。 とにかくその日も、真夜中になっても私たち兄妹は家にふたりきりだったのです。
私はその日、気持ちが悪くて仕方がありませんでした。 眠ることさえ出来ずに、布団の中で丸まっていると、電話が鳴ったのです。 その電話は病院からのものでした。 電話を終えた長兄は、静かに私を起こしにきました。 すぐに着替えて病院に行く、とだけ告げられました。
兄とふたりで大通りまで行ってタクシーを拾いました。 長兄は私と5歳違いで、その時既に14歳だったかな? 今思うと私を不安がらせないように、彼は彼なりに気を遣っていたんだろうと思います。 自分だって不安だっただろうに・・・・だってまだ14歳の子どもだったんですから。
病院まで兄と私はほとんどしゃべりませんでした。 今思うと真夜中に外にいるというのも、初めての経験でした。 最近は親が真夜中に子どもを連れ歩いたりしていますが、 その当時はかなり異常なことでしたから。
病院に着くと、兄は私を病院の入り口に置いて、自分だけ病棟内に入っていきました。 いつも来ていた病院ですが、真夜中はまるっきり雰囲気が違いました。 誰もいないように思える真夜中の病院・・・・ おまけに照明は必要最低限でしたから、闇に飲み込まれそうな気がしました。 不安でいっぱいだったけれど、私は泣いたり喚いたりはしませんでした。 いつも病院では静かにしているようにしつけられていたからです。
暫くすると兄が私を迎えにきてくれました。 そして病室に着くと、母は目を赤くして泣いていました。 『○○ちゃん(次兄の名)はね、もうダメなんだよ』と母は言いました。 長兄は電話で次兄の死を既に知っていました。 私を病院の入り口に置いていったのは、私がショックを受けないようにという、 幼い兄の気遣いだったのです。
私の体調不良と次兄が病魔と闘っていた時間は、どうやら合致していたようです。 次兄と私は、同じ時間に同じように苦しんでいたのです。 霊的な体験というにはかなりお粗末なのですが、 私は今でも兄と苦しみを分かちあったと信じています。 ただ単に風邪で体調不良だっただけかもしれませんが、私は思うのです。 『兄と苦しみを分かちあった』というのは私にとって真実! 事実はどうあれ、それが私にとっての真実なのです。 だって私たち兄妹だったのですから。
|