1997年11月21日、私は『愛して欲しい』と3日間鳴き続けていたあの子と再び出会った。
躊躇している私に、父が運命の手招きをした。 チョロは兄の住むマンションに捨てられていました。
チョロとの最初の出会いは11/19でした。
その時は『他の誰かが拾ってくれるだろう』と自分に言い聞かせ、その場を後にしました。
でも私は予感していました。
『もしこの子と再び会うことがあったら、きっと連れ帰ることになる』と。
その予感は見事に的中しました。
母に抱っこされている仔猫時代のチョロ。
黄色の首輪がよく似合っています。
鼻の頭の傷は兄のマンションに捨てられていた時のものです。 遺棄した人間に、あの時のチョロの切ない鳴き声を聞かせてやりたい!!今でもそう思います。
あの訴えるような鳴き声を、私は二度は無視出来ませんでした。『私を愛して!』『私を抱っこして!』『私を無視しないで!』と
言っているような気がしたからです。
躊躇っていると、私を迎えに来た父の姿が目に入りました。
少し離れたところにいた父に、私は仔猫の存在を指差して教えました。
すると父が手招きをするではありませんか!!
私は『猫を連れておいで』というジェスチャーと判断し、仔猫を抱き上げて父の車まで連れて行きました。
上を見上げているチョロ。
視線の先にあるのはおもちゃかな? でも、私の判断は大外れでした・・・・。
父のジェスチャーは、私に『さっさと来い!』と言っていただけ。
『だめだよ!うちにはマリもいるし、連れて行けないよ!どうするの!』と言う父。
しかしチョロはさっさと車に乗り込み、さっさと父の膝上に移動し、そこでグッタリして眠り始めました。
帰りの車中、父はずぅーっと『どうするの!』を連発していました。
白状しますが、私はあの時わざと勘違いしたんです。
だってそうしないとチョロを連れ帰れなかったから・・・・。この時のことは今でも我が家で話題になります。
私は相変わらずしらばっくれて『父がチョロを拾った』と言い張っています。
大好きなマリ兄ちゃんと。
今でこそ貫禄充分のチョロですが、この頃はまだまだあどけない。